コンピューター将棋ソフトとプロ棋士が真剣勝負を繰り広げる「電王戦」。今春は4勝1敗と、2年連続でソフト側に軍配が上がった。今やソフトが編み出した手がタイトル戦で採用されるなど、長年の定跡に一石を投じるまでに。チェス世界王者がソフトに敗れてから17年。日進月歩で進化する将棋ソフトに、プロ棋士は「次の一手」を繰り出せるか。【丸山進】 5月の連休後半、世界コンピュータ将棋選手権が千葉県で開かれ、38の将棋ソフト開発者が集結した。「世界」と冠して24年。参加は日本人だけだが、近年にわかに注目されるようになった。「プロ中位以上の実力があると認めざるを得ない」。今春の電王戦でソフトの実力を見せつけられた日本将棋連盟の谷川浩司会長は悔しさをにじませた。プロ棋士を破ったつわものが世界選手権では予選落ち。競争は激しい。 チェスやオセロは既にソフトの実力が人間の世界王者を上回った。一方、将棋は取った駒を持