東日本大震災で被災し運休が続く岩手県沿岸のJR山田線宮古―釜石間(55・4キロ)が、地元の第三セクターの三陸鉄道へ移管されることになった。県と沿岸12市町村がJR東日本が示した移管案を受け入れる方針を固め、24日に盛岡市で開く沿岸首長会議で正式に決める。運行再開の時期は未定だが、復興の後押しになると期待される。 山田線は津波で駅舎や線路が流失し、今は代替バスが運行する。JR東は今年1月、総額140億円を負担して鉄路を復旧させたうえで、沿線自治体に無償譲渡し、三鉄に運行を引き継ぐ案を提示。山田線は不採算路線のため、三鉄に移管されると新たな負担金が生じるとして、三鉄が走っていなかった大槌町と山田町が難色を示していた。 しかし、JR東が地元に支払う赤字補塡(ほてん)などの金額について、当初の5億円から30億円に増額することが11月に示され、両町も受け入れを了承した。交渉が長引けば復興の足かせにな