主に飲食店の裏 手に生息する「昇り龍」。カブトムシなどが属する甲虫類は約30万種もいて、地球上 で最多種を誇る生物らしいが、この昇り龍もそれに負けず劣らず多種である。今回はその多様性に博物学的に迫りたい。 えーと、ここでいう「昇り龍」っていうのは排気煙突のことです。なんか大げさな出だしですまん。あ と「博物学的」っていうのは機能とか調べずに形だけ見て楽しむ、っていうことです。 (大山 顕) ■我々は「昇り龍」と呼んでいます 飲食店の排気煙突、別名「昇り龍」。これはぼくらの仲間内での呼称である。なぜ昇り龍なのか。それはこのすてきな煙突の登りっぷりが、まるで天に昇りいままさに嵐を呼ばんとする龍のように見えるからだよ! 見えるんです。ぼくらには。 昇り龍と一言でいっても、その形態は多種多様。一説によれば「個体の数だけ種類がある」とまで言われている。たぶん。ならばその多様っぷりを鑑賞してみようでは