車いすでホーム間を移動する際、エレベーター(EV)5基を乗り継がなければならないケースがあった大阪市のJR京橋駅についてJR西日本は10日、リニューアル工事でEV3基を新たに設置し、乗り継ぎが不要になると発表した。車いすの男性がほぼ同じ場所に3基の増設を求めた訴訟では、JR西は争う姿勢を見せていた。「増設は裁判を受けた決定ではない」としている。 大阪地裁に昨年9月、提訴したのは大阪府大東市の宮崎茂さん(51)。訴状によると、京橋駅でJR大阪環状線外回りのホームから片町線(学研都市線)の四条畷(しじょうなわて)方面に乗り換えるには、大きく迂回(うかい)してEV5基を乗り継がざるを得ず、10分以上かかるとしている。健常者は階段で1分足らずといい、「移動の自由の侵害」として3基の増設を求めていた。 JR西の発表を受けて大阪市内で記者会見を開いた宮崎さんは「差別と偏見のない社会に一歩踏み込んだのか