派遣切りキヤノン“天下り”機関設立…大物受け皿に 初代理事長に前日銀総裁・福井俊彦氏 キヤノンが昨年12月に設立した研究所が波紋を広げている。子会社の請負社員ら1000人以上を削減する一方、この研究所には10億円も拠出。しかも、初代理事長には日銀総裁を昨年春退任したばかりの福井俊彦氏(73)が就いたことから、天下り機関ではないかとの疑いの目を向けられ、国会でも取り上げられた。「派遣切り」がクローズアップされるなかでの設立は、あまりにも間が悪かったようだ。 【評議委員は御手洗会長と同い年がズラリ】 この研究所はキヤノンが昨年12月1日付で設立した財団法人「キヤノングローバル戦略研究所」(東京・丸の内)。同社が10億円を基本財産として拠出している。 財団の評議委員には、日本経団連会長でもある御手洗冨士夫キヤノン会長(73)のほか、三菱東京UFJ銀行の三木繁光相談役(73)、住友商事の宮原賢次相