ブックマーク / natrom.hatenablog.com (78)

  • サードハンドスモーク ―疫学では見えないリスク― - NATROMのブログ

    における受動喫煙による超過死亡数は年間約6800人という推計がある*1。この推計は疫学的に「見える」リスクに基づいて計算されたものである。セカンドハンドスモーク(二次喫煙)のリスクは疫学的に見える。セカンドハンドスモークとは燃えている煙草の端からの煙や喫煙中の人の吐く煙のことで、一般的にいう受動喫煙のことである。 比較的新しい概念であるが、サードハンドスモーク(三次喫煙)と呼ばれるものもある。サードハンドスモークとは、衣服や髪、家具などの屋内環境に残留するタバコの汚染物質のことである*2。たとえば、非喫煙者の親が外でセカンドハンドスモークにさらされ、服を着替えずに帰宅すれば、家の中にいる子はサードハンドスモークに曝露するというわけである。ProtanoとVitaliは、「セカンドハンドスモークという用語を受動喫煙と同じ意味で使うのはもはや適切でない」と述べている。受動喫煙はセカンドハン

    サードハンドスモーク ―疫学では見えないリスク― - NATROMのブログ
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    DrPooh 2012/04/14
    社会の非寛容さが生じるリスクもありそう。
  • 「集団寄与危険割合」って何?疫学指標まとめ。 - NATROMのブログ

    疫学指標はたくさんあってややこしい。相対危険、寄与危険ぐらいまではおぼろげながら理解しているつもりだけど、「集団寄与危険割合(人口寄与危険割合)」とは何か、と聞かれてもすぐには出てこない。 私がアンチョコにしているのは、「基礎から学ぶ楽しい疫学 第2版」の表。数式ではなく、具体的な数字で示されているのでわかりやすいと思う。 「基礎から学ぶ楽しい疫学 第2版」より引用 相対危険(relative risk)が一番目にすることが多い指標であろう。「タバコを吸っている人は肺癌になる確率が5倍である」というやつ。タバコと肺癌に相関関係がないなら相対危険は1になるし、タバコを吸う人が肺癌になりにくい場合は相対危険は1より小さくなる。 寄与危険(attributable risk)は「曝露群と非曝露群の疾病頻度の差」をいう。私の理解では、個人がある特定の曝露を避けるかどうかを判断するには、相対危険より

    「集団寄与危険割合」って何?疫学指標まとめ。 - NATROMのブログ
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    DrPooh 2012/03/24
    『集団寄与危険は個人のリスク選択には役に立たないが公衆衛生における政策決定の役には立つ』
  • 丸山ワクチンをおとしめる週刊ポストの記事 - NATROMのブログ

    週刊ポストにて丸山ワクチンの記事が載っていた。第一弾は、長期生存例があることから丸山ワクチンに効果があるとほのめかしている記事であった。問題がないとは言えないが、標準医療を否定しないことが明記されており、週刊誌の記事としては許容範囲内であるように思えた。しかし、第二弾のほうは、がんの標準医療について誤解を招きかねない記事であった。第二弾の記事は、ウェブ上でも読める(■NEWSポストセブン|丸山ワクチン開発者 息子はSCEでプレステ開発した人物)。ウェブ上の記事は抜粋であり、誌に掲載された記事のほうが詳しい。以下、引用は誌記事(週刊ポスト2012年2月10日号P139〜)からである。 丸山茂雄氏の経過は標準医療によるものとして説明可能である 丸山茂雄氏は「抗がん剤、放射線治療ががん撃退に効いたと考えているが、丸山ワクチンも効果があったと確信している」。丸山ワクチンは効果があったのかもしれ

    丸山ワクチンをおとしめる週刊ポストの記事 - NATROMのブログ
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    DrPooh 2012/02/06
    確かにこれは一線を越えているように思える。
  • 標準医療をしなかった医師が提訴された - NATROMのブログ

    2011年12月22日付の西日新聞朝刊に、医師に対して遺族が損害賠償を求め、提訴したという記事が載った。報道が正確だとすれば、訴えられた医師は代替医療を行っていた。 「がん有効治療せず」提訴 死亡女性遺族 医師に賠償求め 2011年12月22日付の西日新聞朝刊より。 訴状によると、女性は昨年4月、大学病院で初期の卵巣がんと診断され、手術と化学療法を勧められた。しかし、手術を受けず、知人に紹介された同市中央区の内科診療所(今年9月に廃院)に約1年間、月2回ほど通院。病状は改善せず、今春には呼吸困難になったため家族が別の病院に連れて行ったところ、肺へのがん転移が判明。6月に亡くなった。 診療所の医師は「がん患者は何人も診ているから安心していい」と説明。毎回6万〜8万円の受診料で、マッサージやはり治療を施し、体操を指導、がんに効くという水を販売した。一般的ながん検査や治療はしなかったという。

    標準医療をしなかった医師が提訴された - NATROMのブログ
    DrPooh
    DrPooh 2011/12/22
    『標準医療を否定して代替医療を勧めるような医師については、訴訟に持ち込んでしまえば、わりと簡単に患者側が勝つのではないか』。そんな気はします。
  • 日本医師会が混合診療解禁に反対する理由 - NATROMのブログ

    ■混合診療のメリットとデメリットというエントリーに対し、「日医師会はなぜ混合診療に反対しているのか」という質問が寄せられた。日医師会の公的なコメントは、■混合診療ってなに?〜混合診療の意味するものと危険性〜などで読める。この主張を、利権団体のポジショントークかもしれないと疑うのは、適切な懐疑であろう。日医師会が、主に開業医の意見を代表しがちであることはよく知られているところである。 たとえば、池田信夫氏は、日医師会が反対するのは「被害妄想」「卑しい既得権のレトリック」だとしている。 ■池田信夫 blog : 医師会はなぜ混合診療をいやがるのか - ライブドアブログ 何のために、こんな世界にも類のない規制をしているのだろうか。医師会は「混合診療を認めたら、金のある人だけが高度医療を受けられるようになって格差が広がる」と主張しているが、そんなことはありえない。必要な高度医療の多くは保険

    日本医師会が混合診療解禁に反対する理由 - NATROMのブログ
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    DrPooh 2011/12/02
    『国民皆保険制度は、医師会の既得権であるが、同時に国民の既得権でもあるのだ』。医師側にも患者側にも不満な点は多々あるが,それを強調しすぎるのはバランスが悪いと思う。
  • 由井寅子氏による「予防接種をした人の抗体価は高い」という主張は正しいか? - NATROMのブログ

    ■やる夫が予防接種の害について主張したいようですの続き。 ____ / \  /\ キリッ / (ー)  (ー)\    はしかに自然に罹った人の抗体価は低い。 /   ⌒(__人__)⌒ \   逆に予防接種をした人の抗体価は高い。 |      |r┬-|    |   予防接種によって達成される「予防」とは、血液中に病原体や毒素が \     `ー'´   /    存在し続けることによってできた抗体によるものだ。 ノ            \ /´               ヽ |    l              \ ヽ    -一''''''"〜〜``'ー--、   -一'''''''ー-、. ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))       _              | _|::::\   _.....-─ - _  |  そんなデータは当にあ

    由井寅子氏による「予防接種をした人の抗体価は高い」という主張は正しいか? - NATROMのブログ
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    DrPooh 2011/09/27
    斜め上過ぎる。そこをあえてキチンと反証する姿勢には敬服。
  • B型肝炎訴訟はたかりではない - NATROMのブログ

    「幼児期の予防接種によってB型肝炎に感染したとするB型肝炎訴訟は国に対するたかりである」という主張を見付けた。2ちゃんねるかネット右翼あたりの妄言であろうと最初は思ったが、実名でそのような主張をしている人もいた。高山正之氏という人物で、Wikipediaによると、元産経新聞記者で元帝京大学教授であるとのこと。元産経新聞記者ぐらいならまだわからないでもないが、元帝京大学教授というのはちょっとだけびっくりした。 高山正之氏の主張は、「B型肝炎、たかりの構造」という14分あまりの動画、および、週刊新潮・平成23年8月11・18日夏季特大号で読める。私は動画も見てしまったが、14分かけて見る価値は無い。■〔反論を追記〕B型肝炎訴訟って朝日新聞が扇動した"たかり"だった? - エコドライブ日記にて、Mojaさんという方が、動画の要約文字起こしをされているのでそちらを読めば事足りる。Mojaさんによる

    B型肝炎訴訟はたかりではない - NATROMのブログ
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    DrPooh 2011/09/16
    たんなる不勉強なのか,あるいは目的のためなら医学的な誤りは気にしないひとなのか。
  • 放射線被ばくで集患を - NATROMのブログ

    もしあなたが関東近辺の開業医で、クリニックがつぶれそうになっていたら、放射線被ばくとさまざまな症状を積極的に結びつけるとよい結果を産むかもしれない。鼻血や下痢などの症状が低線量の放射線被ばくで起きることは医学的には考えにくく、医師としての良心が残っているならば、安易にそうした症状と放射線を結びつけることはできない。また、周辺の医療機関からの信用もガタ落ちだろう。しかしながら、需要はある。 被ばくがあろうとなかろうと、常に下痢や鼻血は生じている。原因が明確でないこともいくらでもある。下痢の多くは感染によるものであるが、感染源や起炎菌が明らかになるほうが少ない。鼻出血も半数以上が特発性、つまり原因は不明である。しかし、原因が不明であると患者は不安に思う。原発事故の後に下痢や鼻血が生じたら、被ばくが原因ではないかと疑うのは、人の心の働きとしては当たり前のことだ。臨床医の役割は、そうした不安を理解

    放射線被ばくで集患を - NATROMのブログ
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    DrPooh 2011/06/20
    『被ばくと諸症状と積極的に結び付けるのは、ロングテールのビジネスになりうる』…残念ながら,この予想は当たると思う。
  • 救急救命士による点滴 - NATROMのブログ

    救急救命士が「交通事故負傷者を搬送中に、救急救命士法に違反する点滴を行っていた」という報道があった。 ■救急救命士、「生命の危険」で患者に違法点滴 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 同部によると、救命士は先月7日、常滑市内で起きた交通事故現場に出動。負傷した男性(35)に、救急車内で血流確保のための輸液を静脈に点滴した。救命士は「大量出血で意識がもうろうとしていたため、搬送先の常滑市民病院の医師と連絡を取りながら輸液を行った」と説明したという。負傷した男性は病院で治療を受け、現在は快方に向かっている。 救急救命士法の施行規則では、心肺停止状態の患者に限って医師から具体的な指示を受けながら、点滴や気管にチューブを挿入して酸素を送ることができるが、男性は心肺停止状態ではなかった。 同部の事情聴取に対し、救命士は「施行規則のことは知っていたが、生命の危険があると思ったの

    救急救命士による点滴 - NATROMのブログ
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    DrPooh 2011/03/07
    仮に不幸な結果に終わったとして,同じように「法律がおかしい」という議論になるかどうか。
  • 正直にプラセボを使う - NATROMのブログ

    鍼に特異的効果はあるか?この疑問に答えるのは難しい。鍼治療を受けた患者の集団と、無治療の患者の集団を比較して、統計的に有意差があったとしても、その差は鍼の特異的効果に由来するものではなく、プラセボ効果に由来するものかもしれないからだ。普通の薬の場合は、特異的効果の有無は、二重盲検法で測定される。二群に分けられた患者の一方は実薬を、もう一方は不活性な偽薬(プラセボ)を投与される。薬なら、不活性な偽薬を作るのはさほど困難ではない*1。しかし、不活性な鍼などというものを作るのは可能か?鍼の対照として、浅く打つ、経穴をはずして打つ、偽鍼を使うなどの方法が使用されている。「代替医療のトリック」では、伸縮して皮膚に突き刺さるように見えるだけでなく、鍼を支えて「刺さったまま」にでき、皮膚に軽い刺激を与える伸縮鍼が紹介されている。 エクセター大学の研究グループがこの伸縮鍼を使ってプラセボ鍼治療を行ったとこ

    正直にプラセボを使う - NATROMのブログ
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    DrPooh 2011/01/25
    正直に説明しても人間必ずしも理性的に判断するわけではない。その点を無視して臨床は成立しないのだろうけど,むしろ積極的に利用するとなればそれなりの技術経験が必要な気もする。
  • 一生に一度でいいから肝炎の検査を受けよう - NATROMのブログ

    ほとんどの人は健康で長生きしたいと考えているだろう。人々は健康のために、健康品を購入したり、運動したり、検診を受けたり、事に気をつけたりしているが、そうした行動にはコストがかかる。できることなら、なるべくコストの少ない方法で、効率よく健康・長生きという結果を得たいよね。そこで、コストパフォーマンスの良い方法を紹介するよ。それは、ウイルス性肝炎の検査を受けること。しかも、一生に一度でOK。そもそもウイルス性肝炎とは何か、なぜ検査が一生に一度でいいのかをこれから説明する。 国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービス ■日人のためのがん予防法 肝がんの原因の大半が慢性ウイルス性肝炎 慢性ウイルス性肝炎ってのは、B型慢性肝炎とC型慢性肝炎のこと。薬害肝炎訴訟とかで聞いたことぐらいあるだろう。日の肝臓癌の原因の大半はこれ。大雑把に言うと、肝臓癌の原因の約75%がC型慢性肝炎で、

    一生に一度でいいから肝炎の検査を受けよう - NATROMのブログ
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    DrPooh 2011/01/11
    「無料肝炎ウイルス検査は、2011年3月まで実施予定」これは知らなかった。
  • 山口助産師ビタミンK不投与事件 「母親と助産師和解」と朝日新聞で報道 - NATROMのブログ

    2010年12月22日の朝日新聞の朝刊紙面で、『「ホメオパシーで長女死亡」 母親と助産師和解 山口地裁』という見出しで短い記事が載った。朝日新聞のサイトであるアピタルでも同様の記事あり。読売新聞と毎日新聞もざっと見た限りではなさそう(ただし、くまなく見たわけではないので、見落としの可能性もある)。朝日新聞の記事の一部を引用する。 ■asahi.com(朝日新聞社):「ホメオパシーで長女死亡」助産師と母親和解 山口地裁 - アピタル(医療・健康) 生後2カ月の長女が死亡したのは、ホメオパシーという民間療法をする助産師が適切な助産業務を怠ったためだとして、山口市の女性(33)が助産師を相手取り、約5600万円の損害賠償を求めた訴訟で、助産師側が女性に和解金を支払うことで合意したことが21日、分かった。和解金は数千万円とみられる。 同日、山口地裁で双方の代理人弁護士と裁判官が話し合い、和解が決ま

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  • ホメオパシーが叩かれる理由 - NATROMのブログ

    ホメオパシーは叩かれ過ぎか? ■「ホメオパシー叩き」は統合医療潰しを目的としていたのか?にて、週刊ポスト(2010年12月3日号)に掲載された黒岩祐治氏による『「ホメオパシー叩き」に隠された「統合医療は迷信」の権威主義』という記事を批判的に紹介した。その次号である週刊ポスト(2010年12月10日号)に掲載された『「ホメオパシー問題」に私がこだわった理由』にて、NATROMの日記に言及していただいた上で、黒岩氏の真意が説明された。 私自身、マスコミ報道の難しさを改めて感じるが、特に同じテーマを連続して取り上げた場合、記事の内容以上にある種のイメージが加速度的に膨らんでいく危険性を常にはらんでいる。”ホメオパシー叩き”と私は称したが、そう感じていた読者は少なくとも私の周囲には少なくなかった。 しかし、いかがわしい療法であるというイメージがホメオパシーそのものに限定されているなら、私はあえてこ

    ホメオパシーが叩かれる理由 - NATROMのブログ
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    DrPooh 2010/12/03
    週刊ポストで「検証 医療とマスコミ」なんて連載があるんだ。知らなかった。読んでみようかな。
  • 「ホメオパシー叩き」は統合医療潰しを目的としていたのか? - NATROMのブログ

    週刊ポスト(2010年12月3日号)に、『「ホメオパシー叩き」に隠された「統合医療は迷信」の権威主義』という記事が掲載された。ジャーナリスト・国際医療福祉大学大学院教授の黒岩祐治氏による。記事の内容はタイトルから予想できるものだった。「検証 医療とマスコミ」という短期集中連載の第5回で、「私は決してホメオパシー擁護論者ではない」と言いつつも、ホメオパシーに否定的なマスコミ報道を批判している。 誰が「エビデンスのとれないものはすべていかがわしい」と言ったのか? 黒岩氏は、ホメオパシーに「医学的な効果は期待できないと見るのが常識」であることは認めている。科学的根拠がないにも関わらず、ホメオパシーが世界に普及している理由をプラセボ効果に求める。プラセボは有用ではないか、という、ホメオパシー擁護論者がしばしば持ち出す主張を、黒岩氏も行う。 ならばプラセボはいけないのか?少なくとも害にならないのであ

    「ホメオパシー叩き」は統合医療潰しを目的としていたのか? - NATROMのブログ
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    DrPooh 2010/11/18
    「○○そのものは無害」という論法なら大概のものは擁護できてしまうのだけど…。
  • インフルエンザ診断ゲームで学ぶ検査閾値と治療閾値 - NATROMのブログ

    簡易検査はするべきではない? 北秋田市の病院でインフルエンザの集団感染があった。簡易検査では陰性だったが死亡した患者もいたと報道された*1。インフルエンザ迅速診断キットの感度は高くない、つまり、インフルエンザに感染していても検査結果で陰性と出やすいことはよく知られている。あらゆる検査と同様に、インフルエンザの簡易検査は感度・特異度を理解の上に使うべきである*2。当たり前の話。しかし、まれに、インフルエンザの患者に対して、簡易検査をするべきではない、簡易検査をする意味は何もないと誤解している人もいる。 ■Open ブログ: ◆ 簡易検査による死者増加*3 要するに、簡易検査をする意味は、何もない。 ・ 検査で陽性ならば → 抗インフルエンザ薬の投与 ・ 検査で陰性ならば → 抗インフルエンザ薬の投与 (様子見、は間違い。) つまり、どっちみち、「抗インフルエンザ薬の投与」である。投与するか否

    インフルエンザ診断ゲームで学ぶ検査閾値と治療閾値 - NATROMのブログ
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    DrPooh 2010/11/09
    検査自体はシンプルでも判定は単純ではないことの解説。すごい。
  • 自己決定権、親権の及ぶ範囲、医療専門職による説明義務を考える - NATROMの日記 #c kiri 2010/07/19 16:28

    山口市において、乳児がビタミンKを投与されず、「自然療法を提唱する民間団体の砂糖製錠剤」を与えられ、ビタミンK欠乏性出血症による急性硬膜下血腫を起こし死亡したという事件があった(■(cache) 損賠訴訟:山口の母親、助産師を提訴 乳児死亡「ビタミンK与えず」 - 毎日jp(毎日新聞)*1 )。まず、亡くなった赤ちゃんに哀悼の意を表する。母乳育児を行うとビタミンKが不足し、約2000分の1の確率で出血による重篤な事態に陥るが、ビタミンKを投与することで予防できる。この件で助産師が与えたとされる砂糖製錠剤は、ホメオパシーのレメディのことである。有効成分は含まれていないので、当然、出血の予防はできない。 この事件から、多くのことが学べると思う。代替医療の是非、ホメオパシー団体の対応の妥当性、助産師などの医師以外の医療従事者の裁量範囲、標準医療を拒否する親に対する対応、医療ネグレクトの定義、医療

    自己決定権、親権の及ぶ範囲、医療専門職による説明義務を考える - NATROMの日記 #c kiri 2010/07/19 16:28
    DrPooh
    DrPooh 2010/07/19
    たしかに刑事罰にはなじまないと思う。専門家としての水準に達していないなら,再教育をおこなうなり,医療現場から退場して頂くなりする必要はあるかと。
  • 在宅酸素療法中の喫煙と火災 - NATROMのブログ

    慢性呼吸不全の治療の一つが在宅酸素療法である。家庭で酸素をつくるための酸素濃縮器を作っている会社のプレゼンで、火災の延焼実験の動画を見たのだが、これがインパクトがあった。ネット上にないか探してみたのだが、以下のニュース映像の30秒目ほどにある。 酸素が吹き出しているカニューレ(チューブ)に火気を近づけたら当然こうなるであろう、というのは知識ではわかっているのだが、実際の映像を見るとこれがなかなか恐ろしい。なお、動画の「チューブを鼻につけ酸素を吸引しながら喫煙し髪の毛や衣服に引火し死亡→全国で26件」というキャプションは誤りである*1。動画では喫煙が原因で死亡した事例が26件であるように解釈できるが、正確には、平成15年10月から平成21年12月までに在宅酸素療法実施者の自宅において火災が発生し、患者が重篤な被害をおった27例(うち死亡26例)のうち、喫煙によるものは15例である*2。喫煙以

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    DrPooh 2010/03/31
    確かにこれはジレンマ。自己責任だけではすまない。
  • 標準医療は治療中心で、代替医療は予防中心という誤解 - NATROMの日記 #c (oミ ̄∇ ̄ミ)o 2010/03/03 08:20

    標準医療は治療が中心であり、予防は代替医療のほうが得意であるとする主張がある。代替医療に親和的であるが、さりとて標準医療を否定するわけでもない人が、よくこういった主張をする。例を挙げよう。 平成22年01月28日予算委員会より(強調は引用者による) ○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 山根委員から統合医療に関するお尋ねがございました。 医療には大きく分けて、いわゆる西洋医学、医療、すなわち、これは大きく分けると、何か病気になったときにそれを治療するというのを中心としている医療と、それから、むしろ東洋的な医療、東洋だけに限りませんが、病気にならない、常に健康に維持していくための医療と、その二つが大きく分けてあるかと思います。 今までややもすると、日の医療というものがその西洋医学中心であったのではないか、そのように思いまして、党の中でかつてから統合医療を勉強しようではないかということになりました

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    DrPooh
    DrPooh 2010/03/03
    「代替」というのがよくないのかなあ。取って代わると言わんばかりで。
  • ホメオパシーに予算を割くべきか - NATROMのブログ

    「代替医療のトリック」で語られているテーマは幅広く、一つや二つのエントリーでは言い尽せない。このエントリーでは、「代替医療にどれくらい研究資金をつぎ込むべきか。どの代替医療が研究に値するのか」という問題を考えてみたい。「代替医療のトリック」の献辞は、チャールズ皇太子に対して捧げられている。チャールズ皇太子は代替医療に好意的で、「代替医療にもっと研究資金を」と訴えてきた(P305)。一方で、医療研究者の多くは代替医療の効果に懐疑的だった。多くの研究がなされたが、現在得られている科学的証拠によれば、宣伝されているほどの効果は代替医療にないことが明らかになった。 研究結果がフィードバックされる、つまり、たとえばホメオパシーが無効であるという研究によって人々がホメオパシーに無駄なコストをかけないようになるのであれば、研究は無駄ではなかったと言えるだろう。しかしながら、ホメオパシーは無効であるという

    ホメオパシーに予算を割くべきか - NATROMのブログ
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    DrPooh 2010/02/13
    エビデンスがあるかということより医療費が削減できるかどうかが大切なひとたちもいそう。
  • 我々は迷信行動を行うハトになっていないか? - NATROMのブログ

    ■体験談は証拠にならない〜浄霊による体験〜では、「浄霊」の後、熱が下がったという体験談を紹介した。「浄霊」に病気を治すという効果がないことに、おそらくは読者の大半は同意していただけると思う。しかし、「浄霊」には効果があると誤認してしまう人もいる。なぜか?効果のない治療法が用いられていたのは、「浄霊」のような宗教関係だけではない。西洋医学も200年ほどさかのぼれば、瀉血や水銀療法といった効果のない治療を行ってきた。それどころか、何百年もさかのぼらなくても、最近でも「実は効果のなかった」という治療法はわりとある。有名どころでは、脳循環代謝改善剤の多くが、再評価の結果、効果効能を取り消された。 実際には存在しない効果を誤認してしまう理由はいくつかある。ここでは、人間には続けて起こった二つの出来事に何らかの因果関係を読みとってしまう傾向がある点について考えたい。「浄霊」した後に、「熱が下がった」わ

    我々は迷信行動を行うハトになっていないか? - NATROMのブログ
    DrPooh
    DrPooh 2010/02/01
    油断していると自分も危ない。というよりすでに何かやらかしてるかも。