ブックマーク / natrom.hatenablog.com (78)

  • 『週刊現代』のジレンマ - NATROMのブログ

    以前、マスコミからのインタビューに対する報酬について話題になった(■「孤独のグルメ」久住先生が報酬・校正無しの取材を断った件で浮上した、『無償による真実性』という原則とそれに対する疑問の声 - Togetter)。私も、ときにメディアから取材やインタビューの依頼を受けるが、報酬は発生したりしなかったりする。これまでの経験では、週刊誌系メディアでは報酬が発生するのに対し、新聞系メディアでは発生しないことが多い。 無報酬を原則とする言い分も理解はできる。あくまで私の経験の範囲内だが、平均すると、無報酬のメディアのほうが質の高い記事が多い。謝礼を払うと、謝礼目的の有象無象の情報が集まりやすいという面はあろう。週刊誌の医療記事では、「お前はいったい何の専門家だ」と問い詰めたくなるような「常連」のコメンテイターが記事の質を下げている。記事を書く方にとっては都合のよい「専門家」のコメントが得られ、コメ

    『週刊現代』のジレンマ - NATROMのブログ
    DrPooh
    DrPooh 2022/12/28
    ネットで話題になるのは問題事例なので、うまく折り合って記事になることはあまり取り上げられないですね。これまでの積み重ねもあるのでしょう。
  • 「血圧200を放っておいたが問題なかった」などと放言する医者を信じてはいけない! - NATROMのブログ

    プレジデント2022.10.14号で「信じてはいけない!健康診断、医者、クスリ 最新版・コロナ対応 病院に頼らない生き方」という特集が組まれ、養老孟司氏と和田秀樹氏の対談が掲載されました。その対談から和田氏の発言部分を引用したツイートが6000件以上のリツイート、1.6万件以上の「いいね」がされました。 これ、もう答え出てるじゃん。 プレジデント 2022.10.14号 和田秀樹氏 pic.twitter.com/AW5M7xfsCK— のりのりもふもふ (@SFtFQjTAUuQzPVF) October 6, 2022 引用された和田氏の発言は「財政破綻した夕張市が結果的に社会実験になりました。市民病院が廃院になって、19床の診療所だけになり、しかも無料バス廃止で通院に1000円かかるようになり、多くの人が医者にかかれなくなった。市民の健康状態は悪化するのかと思われたが、ほとんどの病気

    「血圧200を放っておいたが問題なかった」などと放言する医者を信じてはいけない! - NATROMのブログ
    DrPooh
    DrPooh 2022/10/24
    「夕張モデル」は何度でも復活してきますね。
  • 患者家族とのトラブル - NATROMのブログ

    埼玉県ふじみ野市において、訪問診療をしていた医師が患者の息子に散弾銃で撃たれ死亡するという事件が起きた。患者である母親が亡くなったことがきっかけになったという。事件については報道でしか存じ上げないし、これから新事実が出てくるかもしれない。この記事は、医療職と患者家族の関係の難しさの一端について知ってもらうのが目的であって、個別の事件において真相はこうだったのかもしれないといった推測ではない。 また、以下に述べる事例は、私の見聞きした経験をもとに改変したものであり、事実そのままではない。仮に当事者が目にしたとしてそれが自分たちのことであるとはわからないようにまで変えてある。ただし、問題の質については伝わるはずだ。ご理解をいただきたい。 患者さんがよいケアを受け、病状が改善することをご家族が願うのは当然だ。ただ、その願いがきわめて強い患者家族がいらっしゃる。介護のためにご家族が仕事を辞め、ず

    患者家族とのトラブル - NATROMのブログ
    DrPooh
    DrPooh 2022/01/31
    極稀ながら重大なリスクをゼロにすることはできないと言われて納得できるのかという話なのかもしれませんが、個人的にはそこを正面視しながら続ける自信はないですね(考えないようにする)。
  • 「万能薬」ができるわけ - NATROMのブログ

    ニセ医学の多くは効果が特定の疾患に限定されず、きわめて多様な疾患に効くと吹聴されている。例を挙げれば、血液クレンジングは慢性疲労・肩こり・冷え性、頭痛、不妊症、更年期障害、高脂血症、高血圧、花粉症、アトピー性皮膚炎、認知症・脳血管障害の予防、美肌効果、気管支喘息、動脈硬化・狭心症・心筋梗塞の予防、がん、悪性リンパ腫、白血病、インフルエンザ、肝炎、HIVに適応があると称されている*1。まさしく「万能薬」と言っていい。 「こすぎレディースクリニック」のウェブサイトにあるオゾン療法(血液クレンジング)の適応(一部)。「stage IVの非小細胞肺がんに効果がある」などと適応を絞ったニセ医学はあまりない。万能を謳う理由の一つは潜在的な顧客(カモ)の数であろう。商売をするなら顧客が多いほうがいいので、がんにもアトピーにもアンチエイジングにも効くと称しておくほうが都合がいい。 ニセ医学の適応が広い理由

    「万能薬」ができるわけ - NATROMのブログ
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    DrPooh 2021/11/30
    『効果の有無を正確に判定する能力が欠如している臨床医がエビデンスに乏しい治療をしていると、医学界のコンセンサスからどんどん離れていく悪循環に陥る危険がある。フィードバックが働かないからだ』
  • イソジンうがいで新型コロナの重症化予防という話はどうなったか追いかけてみた - NATROMのブログ

    2020年8月の会見「うそみたいな当の話」 新型コロナウイルス感染症の第四波の真っ最中で、とくに大阪府は厳しい状況だ。大阪と言えば、昨年2020年8月に大阪府吉村洋文知事が会見で「うそみたいな当の話をさせていただきたい。ポビドンヨードを使ったうがい薬、目の前に複数種類ありますが、このうがい薬を使って、うがいをすることでコロナの陽性者が減っていく」と述べた。また、接待を伴う飲店の従業員や医療介護者・介護従事者などに「ポビドンヨードうがい薬によるうがいを励行」を勧めた*1。ポビドンヨードを使ったうがい薬の代表的な商品がイソジンうがい薬である。会見はテレビで放送され、うがい薬の売り切れが続出したという。 ポビドンヨードに新型コロナウイルスを不活化する作用があるのは事実だ。ただ、それは試験管内、実験室内の話で、実地臨床の場において感染予防効果や重症化予防効果があるかどうかは別問題である。

    イソジンうがいで新型コロナの重症化予防という話はどうなったか追いかけてみた - NATROMのブログ
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    DrPooh 2021/04/14
    臨床研究を登録することに意義がある…ということ?
  • 米CDCのインフルエンザ流行状況のグラフが興味深い - NATROMのブログ

    米CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は季節性インフルエンザの流行状況のレポートを毎週更新している。定期的にウォッチしているがなかなか興味深い。 ■Weekly U.S. Influenza Surveillance Report | CDC インフルエンザの流行状況を正確に把握できる単一の指標はなく、さまざまな指標が公開されているが、今回はその一つである「全死亡者数に占めるインフルエンザおよび肺炎による死亡者数の割合」に注目しよう。たとえばある週の全死亡者数が6万人、インフルエンザによる死亡が1500人、肺炎による死亡が4500人だと、全死亡者数に占めるインフルエンザおよび肺炎による死亡者数の割合は、(1500+4500)/60000 = 10%になる。 死亡率(一定期間の間の人口当たりの死亡数)を計算するには総人口の情報が必要だが、死亡者数の割合だと死亡統計だけから算出できる。肺炎に

    米CDCのインフルエンザ流行状況のグラフが興味深い - NATROMのブログ
    DrPooh
    DrPooh 2020/10/14
    「新型コロナといっても単なる風邪でしょ」みたいな意見を聞くことはありますが,決してそうではないことの根拠にはなりますね。
  • 新しいニセ医学「新型コロナ否認主義」 - NATROMのブログ

    標準的な医学的知見を否定する名誉教授と市議会議員 日野市議会議員の池田としえ氏が、2020年6月8日に「新型コロナに迫る!」 *1と称して議会で質問をしたが、その内容に危惧を覚えたのでここで指摘する。端的に言えば、池田としえ氏は、YouTube等で徳島大学名誉教授・大橋眞氏が主張している「新型コロナウイルスは存在しない」というきわめて根拠に乏しい独自の説に基づいて質問を行った。動画*2を拝聴したところ、大橋眞氏の主張には問題点がいくつもあった。 池田としえ氏のfacebookより。「やはり、新型コロナウィルスは存在しない」。URL:http://archive.vn/SsLPH ほとんどの人がご承知であるが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は重症の肺炎を引き起こす。しかし、大橋眞氏は標準的な医学的知見を否定し、「PCR検査で測定しているのは、病原性のない常在性ウイルスである可能性

    新しいニセ医学「新型コロナ否認主義」 - NATROMのブログ
    DrPooh
    DrPooh 2020/06/15
    『新型コロナウイルス否認主義は、ウイルスの流行を広め、近い将来には有効な薬やワクチンへの反対論をもたらすであろう』。残念ながら十分ありえますね…
  • 「論座」の新型コロナ感染症の記事から学べること - NATROMのブログ

    「論座」に新型コロナウイルス感染症を疑う症状を経験したジャーナリスト、佐藤章氏による記事が掲載された。患者さんの視点で気持ちの推移やPCR検査の経験を伝える良い記事である。 ■私はこうしてコロナの抗体を獲得した《前編》保健所は私に言った。「いくら言っても無駄ですよ」 - 佐藤章|論座 - 朝日新聞社の言論サイト ■私はこうしてコロナの抗体を獲得した《後編》PCR検査の意外な結果、そして… - 佐藤章|論座 - 朝日新聞社の言論サイト ただ、医学が専門ではない方が書いたため仕方のないこととは言え、いくつか医学的な誤りが散見される。誤解が広まると感染防御の点から弊害が生じることが懸念されるため、ここで指摘しておく。 症状出現から1回目の抗体検査まで ことの経過は3月29日の深夜12時前に38度の発熱から始まる。適切に家庭内隔離が行われた後、2日間は37度5分前後と微熱が続き、4月1日には平熱と

    「論座」の新型コロナ感染症の記事から学べること - NATROMのブログ
    DrPooh
    DrPooh 2020/04/25
    『現時点では個人が抗体検査を受ける意義に乏しい。早期の診断はできないし、治ってからの診断は診療方針に影響しない。この点について佐藤章氏によるルポはよく伝えている』
  • もし家族が肺炎になったら新型コロナの検査を要求するか? - NATROMのブログ

    COVID-19(いわゆる新型コロナウイルス感染症)症例が福岡でも出ました。私の外来にも「新型コロナが心配」という患者さんがぼつぼつ受診しています。幸い、私の外来ではいまのところはどなたも肺炎にはなっておらず、現時点では検査は不要だとご説明し、ご納得を得られています。 たまに誤解している人もいらっしゃいますが、現在(2020年2月22日)では新型コロナの検査に、中国への渡航歴や感染者への接触歴は必須条件ではありません。そうした条件を満たしていなくても、入院を要する肺炎や医師が総合的に判断し新型コロナ感染症を疑う場合など、「昨今の国内外の発生状況を踏まえ、これらの地域に限定されることなく、医師が新型コロナウイルス感染症を疑う場合に、各自治体と相談の上で検査することになります」*1。 ネットでは「検査をしてくれない。要求しても断られる」という声を聞きます。自分や家族が病気のときに望む検査をして

    もし家族が肺炎になったら新型コロナの検査を要求するか? - NATROMのブログ
    DrPooh
    DrPooh 2020/02/23
    検査によるデメリットの側面について。検査の結果によって治療方針が変わらないのであればなおさらですね。
  • 何も悪いことをしていなくても人々は病気になる - NATROMのブログ

    がんを治すことが証明された事療法は、現時点では存在しない。がんになりにくい事ならある程度はわかっていて、がんの患者さんについても、基的にはそうした健康的な事が推奨されている。詳しくは ■がん体験者の栄養と運動のガイドライン:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] を参照して欲しい。なにも特別なことはない。「健康的な体重へ減量し、その体重を維持しましょう」「野菜、果物、全粒穀物を多く含む事パターンにしましょう」といったものだ。べてはいけないものはない。当たり前だが、健康的な事をしていてもがんになるときはなる。ましてや、がんを治す効果はない。 何度も書いてきたが、がんに対する厳格な事療法は、効果が不明確なわりに副作用が大きい。単純に栄養の偏り(野菜ジュースを大量に飲むためほかの事が摂取できない、など)が体力を落とす以外にも、自分の好きなものをべられない、とい

    何も悪いことをしていなくても人々は病気になる - NATROMのブログ
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    DrPooh 2019/12/27
    「なにか理由があるはず」という直感から逃れるのはなかなか難しいですね。
  • 「血圧が高いと心筋梗塞になりやすい」と、どのような方法でわかったのか?世界中の命を救った研究 - NATROMのブログ

    『医師が教える 最善の健康法』が、日、2019年6月24日に発売されます。 ブログと書籍の大きな違いとして、書籍は編集者によっても手が入りブラッシュされる点があります。ブログは書きたいことを字数制限を気にせずに書けるという気楽さがある一方、書籍は編集者によるチェックが入るぶんだけ質の向上が見込めます。内容や表現について何度もやり取りいたしました。分量の調節や前後の入れ替えなどによっても読みやすくなっていると思います。 ただ、その過程で、どうしても書に入りきれなかった項目がいくつかあります。古典的なコホート研究である「フラミンガム研究」の紹介がその一つです。いまでは当たり前になっている「高血圧は心疾患のリスク因子である」といった医学的事実がどのようにわかってきたかの解説です。加えて、「症状がなくてもリスク因子を持つ人に介入して将来の疾病を予防しよう」という考え方のはじまりでもありました。

    「血圧が高いと心筋梗塞になりやすい」と、どのような方法でわかったのか?世界中の命を救った研究 - NATROMのブログ
    DrPooh
    DrPooh 2019/06/25
    フラミンガム研究の紹介。書籍に入り切らなかったのが残念です。
  • 新刊『医師が教える 最善の健康法』出ます - NATROMのブログ

    『医師が教える 最善の健康法』というを書きました。内外出版社から2019年6月24日に発売です。 いまアマゾンの紹介文を読んだら、「前著『「ニセ医学」に騙されないために』で「ニセ医学」という言葉を世に定着させた内科医が、たくさんの世界的に認められた論文やガイドラインを丹念に読み、事や睡眠、飲酒、検診、運動のことなど、健康で長生きする確率をあげるための最善の健康法を1冊にまとめました」と書いてありました*1。「ニセ医学」という言葉を世に定着させたのだそうですよ。 前著『「ニセ医学」に騙されないために』も、とても気に入っていて、良い評価もいただいたのだけれども、ニセ医学を批判するだけでは不十分なのは明らかです。誤った医学情報に反対するだけでなく、適切な医学情報を積極的に提供することもまた、重要です。ただ、適切な医学情報について書くといっても、これがなかなかたいへんでした。前著では「これはい

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    DrPooh 2019/05/25
    「最強」とか「最高」でなく「最善」という言葉の選び方がいいですね。
  • 血圧の基準値がどんどん下がるのなぜか? - NATROMのブログ

    高血圧学会による高血圧治療ガイドラインが5年ぶりに改訂され、合併症のない75歳未満の成人の降圧目標が従来の140/90 mmHg未満から130/80 mmHg未満に引き下げられた。 「高血圧は薬で下げるな」「基準値の引き下げは薬を売りたい製薬会社の陰謀だ」といった主張がニセ医学であることはほとんどの人がおわかりだと思う。ただ、高血圧の基準値がどんどん引き下げられることについて疑問を持つ方もいらっしゃるであろう*1。ガイドラインが変わっただけでこれまで病気じゃなかった何百万人もの人が病気だと診断されるなんて、不思議と感じるのは当然だ。今回は血圧の基準値が下がっていく理由について大雑把に説明したい。 血圧の高い人は、そうでない人と比べて、心血管疾患などで死にやすい 今では常識に属することだが、高血圧は心血管疾患のリスク因子である。ただ、これを証明するのは意外に難しい。心血管疾患の患者さんを

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    DrPooh 2019/05/01
    『個々の患者さんにとっては軽症の高血圧を治療するかどうかの影響は小さいが、対象となる患者さんが多く集団全体に与えるインパクトは大きい』。ガイドラインを決める上での大きなポイントですね。
  • はてなブログに移行しました。そして新装版『「ニセ医学」に騙されないために』が出ます! - NATROMのブログ

    はてなブログに移行しました id:kanoseさんによると、はてなダイアリーはネット界の限界集落で、利用者はもはやダムの底に沈むと決まっている集落にがんとして住んでいるようなものなのだそうです*1。私はそんなことには気づいていなかった。いつも通りの生活をしていたら、「お前の家はダムに沈む運命なのだよ」と突然言われたようなもんです。そういやなんだか人通りが少ないとは思っていたんだよ。 そうは言っても引っ越しは面倒だし、住んでいる分にはまったく不都合を感じていなかったので放置していたら、運営から『「はてなダイアリー」終了のお知らせと「はてなブログ」への移行のお願い』というメールが届きました。ダムに沈むの確定。しかし、記事はもちろん、コメント、はてなブックマーク、はてなスターも移行できるそうで、こうしてはてなブログ移行してみたという次第。というか、今この文章を書いている時点ではまだ移行していない

    はてなブログに移行しました。そして新装版『「ニセ医学」に騙されないために』が出ます! - NATROMのブログ
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    DrPooh 2018/10/24
    『いろいろあって絶版になったのですが、このたび、いろいろあって新装版として復刊していただけることになりました』。これは朗報ですね。
  • 医師国家試験を解いてみよう。「がん検診の有効性を示す根拠はどれ? - NATROMの日記

    がん検診にまつわる誤解は根深く、医師でもけっこう間違えている人がいます。ただ、医師国家試験にがん検診が有効である根拠を問う問題が出題され、若い世代の医師はがん検診の疫学をより正確に理解しているものと思われます。 厚生労働省のサイトに過去問がありましたので、ここで引用・紹介します。さて解けますか?このブログの読者は、その辺の平均的な医師と比べると、ずっと正答割合が高いのではないかと思います。 第106回医師国家試験問題より。 集団に対してある癌の検診を行った。 検診後に観察された変化の中で、検診が有効であったことを示す根拠はどれか。 a 検診で発見されたその癌の患者数の増加 b 検診で発見されたその癌の患者の生存率の上昇 c 集団全体におけるその癌の死亡率の低下 d 集団全体におけるその癌の罹患率の低下 e 検診に用いられた検査の陽性反応適中率の上昇 答えは下のほうに。 正解c. 検診後に集

    医師国家試験を解いてみよう。「がん検診の有効性を示す根拠はどれ? - NATROMの日記
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    DrPooh 2018/10/17
    ガッテンしました。
  • インフルエンザ蔓延予防のための受診は必要か? - NATROMのブログ

    「高リスクグループや重症者でなければ受診は必要ないというけれども、インフルエンザだったら他人に感染させないために解熱してから2日間は自宅での安静が必要であるのだから、きちんと受診して診断してもらう必要があるのではないか」という意見を聞く。 結論を言えば、インフルエンザの蔓延防止が目的であっても診断や検査目的の受診の必要性は乏しい*1。とくに流行期においてはそうだ。なぜなら診察や検査でインフルエンザを否定するのは困難だからである。 インフルエンザ迅速検査はご存知の方も多いだろう。「スワブ」という綿棒を細長くしたようなものを鼻の奥に入れて検体を採取するあれだ。鼻汁や鼻腔ぬぐい液中のインフルエンザウイルス抗原を検出することで、15分以内に検査結果が出る。インフルエンザ迅速検査で陽性であった場合は、ほぼインフルエンザだと確定する。しかし、インフルエンザ迅速検査で陰性であってもインフルエンザではない

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    DrPooh 2018/02/17
    検査しなくても(あるいは検査して陰性でも)休む必要があることを理解して頂ければ,受診の意味はあるのかもしれませんが…
  • インフルエンザで「早めの受診」が必要なのはどんな人? - NATROMのブログ

    インフルエンザが大流行である。Yahoo!ニュースに■インフルエンザで「早めの受診」は間違いです! (新潮社 フォーサイト)という記事が載った。コメント欄やブックマークは賛否両論だ。 読んでみたところ、いいことも書いてあれば、首肯できないことも書いてある。持病などがない健康な成人がインフルエンザに罹っても軽症なら「早めの受診」が不要であるのは(医学的には)事実である。リンク先の記事では、あたかも「軽症患者が集中したら医療機関がパンクするから我慢しろ」と言っているかのように読めるが、医療機関の都合とは無関係に、個人レベルの利得のみを考えてもインフルエンザ流行期における軽症患者の受診はお勧めできない。 ほとんどの場合、インフルエンザは薬を使わなくても自然に治る。抗インフルエンザ薬は症状緩和までの時間を約1日間早める効果があるので、症状がとてもつらい人は薬から得られる利益もあるが、それほどでもな

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    DrPooh 2018/02/02
    社会的受診あるいは社会的検査と呼ぶべきものがあるとして,患者さん本人がそれを解決する責任があるわけではないですね。
  • 加熱式たばこ可は完全禁煙ではない - NATROMのブログ

    以前、■べログで完全禁煙の店を検索する方法を紹介したが、今後はこの方法は実用的でなくなるかもしれない。 べログが『「プルーム・テック」を楽しめるお店特集』を行っている*1。「プルーム・テック」とは加熱式のたばこ用デバイスである。現状の法律下では個々の飲店が加熱式タバコを許可するのはかまわないし、べログがそういう店をリスト化して紹介するのも良いだろう。 問題は加熱式たばこ可の飲店も完全禁煙の条件下で検索結果に含まれてしまいうることである。以下は2017年12月10日現在、禁煙(分煙を含まず)の条件下で検索できた店の一例*2。 だいたい「メインフロア完全禁煙 個室喫煙可」ってなんだよ。それは完全禁煙ではなく分煙だよ。 加熱式たばこ可は完全禁煙ではない。そんなこともべログはわからないのか。加熱式タバコ可の店は完全禁煙の検索結果から外せ。 もともとべログの点数はあまり当てにしていなか

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    DrPooh 2017/12/11
    JTも正攻法では勝てないのでいろいろ考えてきますね。
  • 高価な「先端医療検査」の実力は? - NATROMのブログ

    研究途上にある医療を高額な対価をとって提供する医療機関がある。記憶に新しい例では■クリニックで行われた臍帯血投与に意味がない理由で紹介した臍帯血投与である。ある種の血液疾患に対する臍帯血投与は標準医療だし、臍帯血由来の幹細胞を利用した再生医療はきちんとした研究の対象である。しかし、クリニックで提供された臍帯血投与にはまったく意味がなかった。 研究途上の、言い換えればまだエビデンスに乏しい医療は、治療のみならず診断にもあてはまる。具体的には、 ■高城剛氏が語る「最先端医療の衝撃」(高城 剛) | 現代ビジネス | 講談社(1/3) にて紹介されている「先端医療検査のひとつ」であるところの「血中エクソソーム内のマイクロRNA検査」がそうである。医療機関によっては保険外診療(全額自己負担)として数万円から数十万円で提供されている。 血液中のマイクロRNAを調べることでがんの早期発見ができるのでは

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    DrPooh 2017/09/13
    国家試験とかに出題してもいいような。
  • クリニックで行われた臍帯血投与に意味がない理由 - NATROMのブログ

    無届けで臍帯血(さいたいけつ)の投与を行ったとして、医師を含む6人が逮捕されるというニュースがあった。 ■さい帯血無届け投与、販売業者や医師ら6人逮捕 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) がんの治療や美容目的で臍帯血の投与が行われていたという。該当するクリニックで行われていた臍帯血の投与は、医学的には意味がない。意味がないというか、意味がわからない。よくある細胞免疫療法は、少なくとも理論上は効くかもしれないと思えるようなものであるが、臍帯血については逮捕された医師がいったい何を期待していたのか見当がつかない。ぜんぜんわからずに雰囲気で臍帯血投与をやっていたとしか思えない。 臍帯血移植は標準医療である。大きなくくりでは、骨髄移植や末梢血幹細胞移植と同じく、造血幹細胞移植の一種である。たとえば、血液系の悪性腫瘍(がん)に対して臍帯血移植が行われている。しかし、そのメカニズム

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    DrPooh 2017/08/29
    『臍帯血については逮捕された医師がいったい何を期待していたのか見当がつかない』。確かに。単純な詐欺だったらわざわざ高価な臍帯血を仕入れることはないし,本気で効果があると思っていたのか…