ハンセン病・ハンセン病患者を意味する英語の leper という単語には、医学的な意味と社会的な意味が併存している。I am a leperというと、「私は医学的にハンセン病と診断された」という意味にもなるし、「私は嫌われ者、厄介者、鼻つまみ者である」という社会的な意味の自虐にもなる。後者は、中世ヨーロッパにおいて差別され隔離され権利を奪われ恐れられていたという事実から生じた意味である。この二つの意味の併存を利用して、医者がある若者を自殺に追い込むトリックを用いた短編推理小説が、アガサ・クリスティ『ポワロの事件簿』に収載されている「エジプト王墳墓の冒険」である。単行本としては1924年に刊行されていて、当時大変な話題になっていたカーナボン卿のツタンカーメン王の墳墓の発掘に関連させた内容になっている。ヨーロッパではハンセン病は近世初頭にほとんど消滅し、帝国主義が明るみに出した非文明国の象徴とな
Hayden, Deborah, Pox: Genius, Madness and the Mysteries of Syphilis (New York: Basic Books, 2004) 梅毒と芸術的な創造性の歴史についてのしばらく前の話題作。基本的なスタンスは、病跡学 pathography であり、過去の文学、絵画、哲学上の有名人を取り上げて、その人物たちが罹患してさまざまな病的な症状が現れている時期の創作活動に梅毒が影響を与えているかどうかを論じるものである。この手法は、引退した医者が趣味で行う余技的なものとして、新しい医学史研究の中で評判は高い方法ではない。また、過去の個人が性病に罹っていたことを取り上げることは、有名人のゴシップに通じるものがあるので、学術的な論文ではあまり見なくなっている。しかし、優れた病跡学は読みごたえがあるし、この書物は、私が読んだ範囲では、もっとも
コンゴ(旧ザイール)のキクウィト(Kikwit)の病院で、ストレッチャーで運ばれるエボラ出血熱の患者(1995年5月14日撮影、資料写真)。(c)AFP/CHRISTOPHE SIMON 【3月23日 AFP】西アフリカ・ギニア保健省は22日、同国南部で流行している非常に感染力の高い伝染病はエボラ出血熱だと確認されたと発表した。この病気によるこれまでの死者は、59人に上っている。 ギニア保健省によると、6週間前に初めて観察された下痢や嘔吐(おうと)、出血などの症状を伴うこの病気の正体をギニア国内で特定することはできなかったが、サンプルを分析していた仏リヨン(Lyon)の研究者らがエボラ出血熱だと確認したという。 同保健省で疾病予防を担当するサコバ・ケイタ(Sakoba Keita)医師は、「ゲケドゥ(Gueckedou)とマセンタ(Macenta)の両行政地区を含むギニア南部で2月9日から
ウガンダ北部キトゥグム(Kitgum)県トゥマング(Tumangu)村で、謎の奇病「うなずき病」を患っている14歳のパトリック(Patrick Anywar)くん(2012年2月1日撮影)。(c)AFP/Michele Sibiloni 【2月20日 AFP】アフリカ中部ウガンダの小村トゥマング(Tumangu)でパトリックくん(14)は、真昼のうだるような暑さのなか裸の体を丸めて横たわり、自宅前で遊ぶ弟や妹たちを見上げようとして、できずにいた。1分ほどかけてようやく顔を上げた、そのとたん、パトリックくんの頭は前方へと崩れ落ちるように倒れ、やせ細った体はひきつけを起こした。 ウガンダ北部で今、3000人以上の子供たちが謎の奇病、通称「うなずき病」に苦しんでいる。トゥマングでは、ほぼ全家庭にうなずき病の患者がいる。 ■衰弱していく子供たち、なすすべなく諦める人々 地元の人々によればこの数年で
フランス・パリ(Paris)近郊の研究所で使われる顕微鏡(2010年2月24日撮影、資料写真)。(c)AFP/ERIC PIERMONT 【2月25日 AFP】米カリフォルニア(California)州で、手足のまひが生じるポリオに似た珍しい症状が5人の子どもに確認された。治療法はまだ確立されていないという。米フィラデルフィア(Philadelphia)で23日に開かれた米国神経学会(American Academy of Neurology)の年次総会で、米スタンフォード大学(Stanford University)の研究チームが発表した。 報告書の主著者スタンフォード大の神経科医キース・バンハーレン(Keith Van Haren)氏は声明で、「これら5つの新しい症例は、カリフォルニアでポリオに似た感染症が出現した可能性を示している」と述べている。 発症した5人の子どもたちからは、ポリ
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