今日の欧州のシステミックリスクについてはどのように考えるべきなのだろうか。欧州連合(EU)は、危機管理でまずまずの成功を収めている。しかし、今のように複数の危機が交差している時には、難局を何とか切り抜ける能力さえも限界に達しつつある。 この問題が最もはっきり分かるのはギリシャだ。この国は、経済のメルトダウンと難民危機の両方に取り組んでいるが、ほかのEU諸国からは大した支援を受けていない。 欧州委員会が先週、国境を管理できていないとギリシャ政府を批判する報告書を出した時には、マケドニアがギリシャとの国境検問所を封鎖する決断を一方的に下し、数千人の難民が国境のギリシャ側で立ち往生することになった。 一方、アテネでは議会が年金改革を議論していた。金融面の生命維持を続ける対価として債権者たちから強いられた措置だ。 ギリシャは、最も厳しい事例ではあるかもしれないが、複数の危機に同時に見舞われている唯