だが、令一族への攻撃とその延長として胡氏に対する攻撃は、以前は習氏の後援者だと見られていた人たちを含む、中国で最も強い力を持つ支配者一族の一部に対する最新のジャブに過ぎない。 本紙(英フィナンシャル・タイムズ)は3月下旬、存命の元最高指導者である胡錦濤氏とその前任者の江沢民氏がともに、汚職撲滅運動が行き過ぎないよう習氏にくぎを刺したと報じた。この運動は共産党員の間で士気と忠誠心を弱める恐れがあっただけでなく、一部の引退した長老たちとその家族が自分自身が標的になるのではないかと神経質になっていたからだ。 だが、その後の数カ月間で習氏は猛攻を強める一方だった。 2012年末まで公式に中国で9番目に強い力を持っていた共産党中央治安総合治理委員会の元主任、周永康氏は、昨年末から拘留中だ。 電力産業の腐敗に対する捜査は、1989年の天安門事件で果たした役割のために「北京の殺戮者」として多くの人に知ら