9月14日に実施されたスウェーデン総選挙の大ざっぱな総括は、中道右派政権のフレドリック・ラインフェルト首相が交代し、社会民主労働党(以下、社民党)党首のステファン・ロベーン氏が首相を引き継ぐことになったことと、ファシズムを標榜するスウェーデン民主党が同国第3の政党となったことだ。 さらに特徴的なことは、既成の政党が大幅に支持を失い、いわゆる新興政党が票を伸ばしたことと言える。社民党の勝因を一言で言うと、「政権党である穏健党の支持票が大量に極右党に流れた」からだ。 スウェーデン国民の消極的選択 予想通り社民党が第1党となり、連立を形成して政権を引き継ぐことになったが、同党が獲得した投票は31%だ(上図参照*1)。これは、前回2010年の総選挙時の得票結果からわずか0.4%増えただけなので、国民が喜んで「次期政権を任せたい!」という強力な支持を送った結果、というわけでもなさそうだ。 社民党の得