SMMしか監視できない情報が、ウクライナ全土にたくさんある。SMMがいなければその事実は、埋もれてしまうかもしれない 欧州安全保障協力機構(OSCE)は、日本ではあまりなじみのない機関かもしれない。しかし、2014年のロシアによる対ウクライナ占領・侵略開始以降、OSCEがウクライナに派遣した「ウクライナ特別監視団/Special Monitoring Mission to Ukraine(SMM)」は、情勢の第三者による中立的な監視と報告を行うという、大きな役割を担っている。1000人を越えるSMM要員が、ウクライナ東部の紛争地域を中心に、停戦違反や重火器撤収違反、ウクライナ・ロシア間の国境の様子などを監視しており、ほぼ毎日報告書が発表されている。この報告は、ジャーナリストや、各加盟国、国連などに共有され、しばしばプロパガンダや偽情報により不透明になりがちな戦闘地域の様子に客観性をもたらす