Online ISSN : 1884-5851 Print ISSN : 0386-7226 ISSN-L : 0386-7226
106 インドと旧ソ連・ロシア-国際関係の連続性と相違 吉田 修 はじめに 約 10 年の空白を経て、インドと旧ソ連諸国、中でもロシアとの関係が、新たな展開を見 せ始めた。ウラジミル・プーチンがロシアの大統領に就任して以来、繰り返し「戦略的パー トナーシップ」 が強調されている。 この印露間の新たな蜜月は、冷戦終結前の印ソ関係の復 活と見てよいのだろうか。 しかしながら、このように問い掛けるや、その問いの内容が実は明確ではないことに気 づく。冷戦期におけるインドとソ連の関係が特殊であったことは、よく知られている。だ が、 なぜそうであったのか、 またどのように特殊であったのかについては、必ずしも十分な 説明がなされていない。なぜ、に対する国際関係からの代表的な説明は、米国の、いわゆる パキスタン「傾斜」政策の反動とするものであろう1。また、国内政治的には、インディラ・ ガンディー首相が与党
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