私がコンピュータを使い始めたのは今から30年前の1974年、まだ高校生のときだった。最初に使用したコンピュータは、一部屋を占有してしまうほど大きなもので、RAM はわずか5kバイトしか搭載していなかった。 主なデータ入力方法は紙テープ。オペレータ用のコンソールは電気式タイプライタ。ディスプレイもなければ、カーソルもない。CPUの処理速度は約0.1MHz、という代物だ。 こうした原始的な仕様にもかかわらず、私にとって初めてのこのコンピュータは、数年後、大学で出会ったモンスターのようなメインフレームなどより使っていてすごく楽しかった。メインフレームは、使っているというよりも命令に従っているという感じだった。初期のシンプルなコンピュータでできることは限られていたが、それでも私はテキストベースのゲームをいくつか設計した。それは、立派なシングルユーザーコンピュータであった。言わば、一部屋サイズのPC