今秋開催されるラグビーワールドカップで会場の一つとなる「えがお健康スタジアム」(熊本市)で、大型ビジョンの鉄骨土台の建設が止まっている。原因は業界が「まさか足りなくなるわけがない」と思っていた小さな部材、ねじにある。 橋や高層ビル、細長いオフィスビルなどの鉄骨をつなぐ鉄鋼製の高力(ハイテンション)ボルトと呼ばれるねじの不足が、全国各所で工事を遅延させているのだ。 不足は昨夏ごろから始まった。10~11月時点では、高力ボルトを扱う会社の8割以上で工期に影響が出ていた(国土交通省の調査)。そこで、年末に国交省が買いだめを控えるよう業界に要請したが、改善に時間がかかっている。 国内にはボルトメーカーが十数社あり、商社や問屋を通してゼネコンに供給される。平時では、先々の分を注文する方法と、問屋が持つ在庫を供給するルートがあるが、後者の在庫がなくなっている。本来は発注から1ヵ月半程度で届くはずが、半