近 代小説の曙を坪内逍遥の『小説真髄』にひとまず見ることが出来るとすれば、近代詩においては『新体詩抄』(明治十五・1882)の成立はやはり無視することの出来ない大きな事件であっただろう。 単なる「訳詩集」、あるいは「平易な詩」という意味であったならば明治以前にもその兆候を認めることは出来るが、「西洋ノ風ニ模倣シテ一種新体ノ詩ヲ作リ出ス」「明治ノ歌ハ、明治ノ歌ナルベシ」という言説が序文に刻まれることによって、「漢詩」でも、「短歌」でも、「俳句」でもない詩を作り出す、という明確なコンセプトがここに明言され、以降の「近代詩」の流れの発端になったことは間違いないのである。 そこには「小説」の場合と同じように、これまで日本になかった概念としての「詩」を創造しようとする意図が明確にされている。 しかし、外山正一(教育・文学者)・矢田部良吉(植物学者)・井上哲次郎(哲学者)という三人の学者によって製作
私が中学から高校・大学時代にかけて愛読した詩の数々を、そのときの想い出とともに 紹介したい。 紹介する詩は、今から50年以前に発表されたものにほぼ限られる。これは、一つには 著作権問題を起こしたくないことへの配慮もあるが、何よりも声を出して朗唱できる詩は 日本近代詩にほぼ限られるからである。 ただ、漢詩や英語詩にも忘れられない想い出があり、これらも紹介したい。 詩作者名の配列順序は、原則として、第一詩集の発行年順としたが、中には詩の発表 年と詩集の発行年との間に大きな差があることもあり、その場合には最初の詩の発表年 を考慮して順序を決めた。 日本近代詩 ハムレットと日本近代詩の誕生 ---- 新体詩鈔 十二の石塚 --- 湯浅半月 「孝女白菊」の歌 --- 落合直文 「楚囚の詩」 ---
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