◇同性愛者ら高い未遂率 周囲の無理解、偏見で疲弊 国の自殺対策の指針「自殺総合対策大綱」が、07年の策定から5年を経て近く見直されるのを前に、同性愛や性同一性障害など性的マイノリティーを対象にした対策の重要性が注目され始めた。性的マイノリティーは自殺の危険性が高い「ハイリスク群」にあたるということが政治や行政に認識されることで、こうした人たちへの偏見や差別をなくしたり、生きる力を与える施策につながることが期待される。【丹野恒一】 「自ら死を選ぶことでしか苦しみを伝える方法がないこの社会を変えていきたい」 3月半ば、参院議員会館の会議室。性的マイノリティーの自殺防止に取り組む民間グループ「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」が呼び掛けた院内集会で、同性愛の男性が、国会議員や各省庁の担当者らを前に15年前の自殺未遂に至る経験を語り始めた。 グループの共同代表、明智カイトさん(34)