連載 Wagneriana ワグネリアーナ ~ワーグナーにまつわるあれこれ 2 第2回 フランス文学界のワグネリアンたち ワーグナーの周辺情報を紹介することで、この19世紀の大作曲家に興味を持っていただこうというのがこのコラム。前回は音楽が話題だったので、今回は文学界について触れてみたい。 ワーグナーに強く関心を持った作家といえば、たとえば『悲劇の誕生』を書いたフリードリヒ・ニーチェ(1844~1900/思想家や文献学者というべきだが、ここでは広い意味として作家とする)や、講演集『リヒャルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大』のトーマス・マン(1875~1955)などがまずは想い出される。ドイツの作曲家なのだからドイツで名が知られるのは、まあ当然と言えば当然。巨人ワーグナーの名声は自国内で留まるはずもなく、さらにはお隣フランスでも相当に話題となり、注目されてゆく。 フランスでのワーグナー人気 大い