主要組織適合遺伝子複合体(しゅようそしきてきごういでんしふくごうたい、major histocompatibility complex; MHC)は、免疫反応に必要な多くのタンパクの遺伝子情報を含む[1][2]、細胞膜表面にある糖タンパク質である。研究の当初、MHCは遺伝子として同定されてきたが、のちに糖タンパク質として意味が置き換わって行った[3]。 (糖タンパクか遺伝子かの)区別のために糖タンパク質であることを明記・強調したい場合には、日本では「MHC抗原」、「MHC分子」、「MHCタンパク質[4][5]」などと表現するのが一般的である。 いっぽう、遺伝子領域においてMHCをコードする遺伝子のこととして明記したい場合には、「MHC領域」[6]、「MHC遺伝子」[7]などと表現する場合もある。 MHC分子は、ほとんどの脊椎動物が細胞に持ち、ヒトのMHCはヒト白血球型抗原 (HLA)、マウ