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ブックマーク / tokyocat.hatenadiary.jp (15)

  • バーザールでごーざーる  - 東京永久観光

    『複雑さを生きる やわらかな制御』(安冨歩) asin:4000263501 表紙も書名もそっけなくて、ためしに読んでみるかという感じだったのだが、これがじつに、原理的かつ実践的な知恵を無尽蔵に与えてくれる、そんな一冊になった。 どのような原理や実践かというと。 複雑なものと複雑なものを、無理に制御したり制止したりせず、自ら反応し合うのに任せておけば、それら来の複雑さこそが発揮されることによって、なんかうまくいく。それが人間の身体や心であり、人付き合いであり、仕事であり事業であり、経済であり社会である、といったようなこと。それはまあ摩訶不思議としか言いようがないが、そういうものなのだろう。(引用ではないのでご注意を) もっと詳しく吟味して紹介したいが、余裕がない。とりあえず。 仕事とはだいたい、ややこしい要素をややこしく組み合わせてますますややこしいものを新たに作っていく作業といえる。そ

    バーザールでごーざーる  - 東京永久観光
    Hebi
    Hebi 2006/11/05
    『複雑さを生きる やわらかな制御』安冨歩 ISBN:4000263501>複雑なものと複雑なものを、無理に制御したり制止したりせず、自ら反応し合うのに任せておけば、それら本来の複雑さこそが発揮されることによって、なんかう
  • 東京猫の散歩と昼寝 - 要するに小説は面白いということ

    ちょっと気分転換に、という用途で手を出すでもないのだろうが、ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』を今日はひもといてみた。 映画は何度か見ていて、オスカルの祖母がオスカルの母を身ごもった時のシーンを知っている。だから、それがどれほど長ったらしく書かれていても非常に楽しめる。しかし、もしそれを知らなくて読み始めたなら、これは何をほのめかしているのかと困ってしまったかもしれない。それでも、読みとれるかどうか微妙なものをじわじわ読みとっていく、あるいは、読みとれず宙ぶらりんのままで後から気づかされる、といったヒネくれた面白さが、小説の文章というものに共通してあるのは確かだ。さらに、もう知ったうえでそれを反芻してみることもまたいっそうヒネくれて面白かったというわけで、これもまた小説の正当な面白さなのだろう。(「そんな無駄にヒネくれた面白さなど要らない」「忙しいんだから負担かけないで」と思ってしまうと

    東京猫の散歩と昼寝 - 要するに小説は面白いということ
    Hebi
    Hebi 2006/06/12
  • 無為徒読 - 東京永久観光

    仕事というのは「どうするのか自分が急いで決めねばならない」という局面がけっこう多い。迷う性格の者には非常なストレスだ。それに比べ、たとえばを読むという行為は、そうした選択や決断とはじつは無縁だから、気の休まる時間を与えてくれる。それに、考えが散らかってもそのまま放っておいていい。誰も困らない。誰も待っていない。 それが、飯田隆編『論理の哲学』とかの堅く難しげなであってもだ。あるいは三浦俊彦『ラッセルのパラドクス』。いやむしろ、一般的なに比べ、これらは内容つまり何が書いてあるかが最もぶれないような類なので、いっそう楽かもしれない。与えられた道筋に添って頭が動くのに任せればよい。分かっても分からなくてもは終わる。 * ところで、飯田隆は冒頭で論理学を学ぶための参考文献を挙げながら、こう書いていた。 《論理学は数学と同じで一人でを読んで勉強するよりも、先生について習うほうが早く身につく

    無為徒読 - 東京永久観光
    Hebi
    Hebi 2006/03/18
    みすず書房の理想の教室は確かにちょっと割高感が/佐藤良明『ビートルズとは何だったのか』/山下邦彦『ビートルズのつくり方』/岡田暁生『西洋音楽史』
  • いくつか本も読んだ - 東京永久観光

    無神論者は死をどうやって受容すればいいのか。そんな問題意識からこの小説は書かれたという。巻末に作家の弁として紹介されている。そんなことをあっさりはっきり打ち出していたことが驚きだった。自分が死んでしまうことについて大抵の人があまりに考え込まないようであるのに比べ、私はいくらか考え込むほうなので、貴重な参照項となりうるからだ。とはいえ、読み終えて「そうか死ぬってこういうことか!」と膝をポンと叩くには遠い。いや、いかなる小説を読もうとそのような納得に至れるとは私には思えない。しかしながら、読後も不思議な異物として横たわるかのようなこの小説を、その究極の問題意識の存在感が、ひとつ確実な光線となってにわかに照らし出したのは当だ。 まったく知らない作家の小説を、なんの前情報もなく読んでみるという楽しみもあった。ネット的には「まだクリックしたことなかった」ということ。 ジム・クレイス『死んでいる』

    いくつか本も読んだ - 東京永久観光
    Hebi
    Hebi 2006/03/12
    ジム・クレイス『死んでいる』 ISBN:4560071489
  • 東京猫の散歩と昼寝■たゆたう旋律そして人生

    2.12に書いたアン・サリーの「蘇州夜曲」が手に入る。これはまいった。酔いしれてしまう。CDの他の歌もいいが、この一曲が私にとっては抜きん出ている。 歌声はまさに水路をゆく舟のごとし。上下の揺れをしっかり含みつつじつに滑らか。旋律は4小節のまとまりが4つで出来ていて、似ているようで少しずつ変わる。これもいわば舟からの眺めみたいなものだろう。「水の蘇州の 花散る春を」と歌う3つめの旋律がとくに好きだ。「蘇州」の「そ」が曲中の最高音で、アン・サリーはそこを少し延ばして「そーしゅうのー」と歌っている。これがまた心地よい。 部屋のなかで音楽はたいていBGMと化すのだが、このような歌は詞にも耳を奪われる。やわらかい和語がつながって春の情景が浮かんでいく。言葉が行う当たり前の仕事かもしれないが、その鮮やかさを同時進行で味わう。 なお、「蘇州夜曲」は1940年に映画『支那の夜』の主題歌としてリリースされ

    東京猫の散歩と昼寝■たゆたう旋律そして人生
    Hebi
    Hebi 2006/03/10
    アン・サリーの「蘇州夜曲」/ビロードみたいな声だ。
  • あなたは香田さん以外の誰について詳しく知りたいですか - 東京永久観光

    『香田証生さんはなぜ殺されたのか』(下川裕治)ASIN:410300231X * 香田さんといえば、2004年10月イラクを旅行中、アルカイダ系のグループに拘束され殺害された青年だ。しかし、イラクにおける日人人質事件としては、それに先立つ同年4月、今井紀明さん・高遠菜穂子さん・郡山総一郎さんの3人と、安田純平さん・渡辺修孝さんの2人が相次いで拘束され生還しており、国民の衝撃や関心としてはそちらのほうが圧倒的に大きかった。5人には「国に迷惑をかけるな」などといった非難が異様なほど高まったが、一方で彼らの行動を理解し支援する声も小さくなかった。それにひきかえ、香田さんに対する反応は冷淡だった。先の5人がジャーナリストやボランティアとしてイラク入りしたのに対し、香田さんは「ただ愚かな旅行者」といった位置づけで、5人と同様の支持はあきらかに憚られる空気だった。おまけに、これは単なる不運なのだろう

    あなたは香田さん以外の誰について詳しく知りたいですか - 東京永久観光
    Hebi
    Hebi 2006/01/15
  • まあどこまでホントか怪しい気にさせつつも - 東京永久観光

    『R25』にリリー・フランキーのインタビュー(文=武田篤典)が出ていると某日記で知り、さっそく読んでみた。「どんなバカでも、まんべんなく何とかなります」。光明とはこういう言葉を指すと思った。たった2ページだが、笑えるのみならず、ことごとく非常に正しいのではないだろうか。貧困時代の打ち明け話も、身につまされるよりは泣かされた。「奮起せねばっていうのは、なかったと思います。ただもうそのころぐらいで『働かないで家に金がない』っていう生活に飽きてきてるんですよ」。 狭き門より入れ(力をつくさず?)。それは勝ち組になる難しさなど意味しない。もっと当に狭い門があるのかも。 リリー・フランキーが新党作って総理大臣にでもなったら、日はまったく別の意味で、あるいは真の意味で、救われるに違いない。時節柄、そんなことを思った。私はべつに小泉純一郎が嫌いなだけでなく好きでもあるのだが、それはそれとして。

    まあどこまでホントか怪しい気にさせつつも - 東京永久観光
    Hebi
    Hebi 2005/09/08
    だといいなぁ>「どんなバカでも、まんべんなく何とかなります」/『働かないで家に金がない』っていう生活
  • 佐藤さんスイッチ - 東京永久観光

    佐藤雅彦研究室展というのを見てきた。 http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/ 実はこの人、かなり長いあいだ、狙いをぴたっと定めて探ってきていたのだ。ひとつの徹底してエレガントでロジカルな独自世界を。その面白さは比較するものが思い当たらない。赤瀬川原平と柄谷行人と安部公房を足して3で割る、かわりに串団子にしたほどではなかろうか。少し前の『広告批評』特集号(2003年)が参考書。『毎月新聞』『プチ哲学』なども、この独自世界が根っ子にあって、そうして先っぽに咲いた花だったのかもしれない。 ピタゴラスイッチというかピタゴラス一致というか…。 たとえば、x^2 + y^2 = 1 は グラフにすると円になる、ということが、とにかく面白くてしかたなくて、しかも、そんなことが面白いなんて、そもそもいったいどういうことなんだ、とそれがまた不思議でしかたない、といったことなのだ、

    佐藤さんスイッチ - 東京永久観光
    Hebi
    Hebi 2005/08/19
    佐藤雅彦研究室展
  • 俺のドラマを見ろ! - 東京永久観光

    TBSのドラマ『タイガー&ドラゴン』、評判を聞いておととい初めて見た。 http://www.tbs.co.jp/TandD/ ひとつの単純なストーリーを語る・伝える、ただそれだけのために、まるで遊園地のからくり屋敷かコースターのごとく、転換や起伏をよくぞここまで富ませたものだ、という感じ。そうか、これがまさに「俺の話を聞け」魂だ。 筋の話と、回想の話と、落語の話と、いろいろ絡み合ってくるところが、なんといっても絶妙だろう。わざとらしくも目立ったのは、同一人物(役者)が、似ているけど別のしかし関連する他のシチュエーションを演じる、しかもそれが再帰的にもなるといった手法。こういうものに私は小劇場系の演劇を通して馴染んでいった部分が大きいと思うが、考えてみれば、芝居においては役者の体も衣装も舞台もリニアに連続しているのであって、それに比べて、編集してつなげることが前提で万能でもあるテレビドラ

    俺のドラマを見ろ! - 東京永久観光
    Hebi
    Hebi 2005/05/09
    タイガー&ドラゴン。
  • 『複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線』(マーク・ブキャナン著) - 東京永久観光

    私たちが、自分の知りあい、知りあいの知りあい、そのまた知りあい、というぐあいにどんどん辿っていくと、世界中すべての人と6人目くらいで繋がってしまう(らしいよ)。そんな風説がだいぶ昔からあったとおもう。この謎、じつは数学者がまじめにこつこつ解析していた。その鮮やかな成果をまとめたのがこのだ。 これまでの実験やシミュレーションがはじき出すのは、なぜか当に6前後の数値。世間は広いようで、あまりにもあまりにも狭いのだ。これを指して「スモールワールド」と呼ぶ。それにしても、60億あまりの人々がたった6の隔たりで結びついてしまうとしたら、いったい地球社会のネットワークはどんな構造をしているのか。 まず、全員の知りあい関係がもしまったくランダムであれば、隔たりは思いがけず小さくなるという。つまり、東京の私が南米のAさんであれアフリカのBさんであれ世界中に散らばった不特定の人とまんべんなく知りあいであ

    『複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線』(マーク・ブキャナン著) - 東京永久観光
    Hebi
    Hebi 2005/05/07
    >ランダムに結ばれる知識はごくわずかであっても、知識全体は劇的に様相が変わるのだ。
  • 正しい意見を述べる - 東京永久観光

    私たちは戦争という現実を我慢すべきなのか。そうだ我慢しようと決意を固める人が増えた。しかしそういう人は、戦争とは別のさまざまな現実のほうはどうあっても我慢しない人なのだ。たとえば国連でデカい顔ができない現実。たとえば石油がふんだんには回ってこなくなる現実。たとえば高水準の経済やプライドが目減りしていく現実。などなど。そのたぐいのイライラが我慢できないからといって、代わりに戦争という究極のイライラを我慢しろと迫る。阿呆だ。もし彼らが阿呆でないなら、私のほうが阿呆だ。 ちまたで殺人事件などがあると無条件で絶対的に毛嫌いする人は多い。ところが、ちまたの戦争事件はそこまで毛嫌いされない。不思議だ。殺人を躊躇しないような人を蔑んだり憐れんだりするのもいいが、それ以上に戦争を躊躇しないような人を、私たちはもっと蔑んだり憐れんだりしよう。

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    Hebi
    Hebi 2005/05/05
  • そんなに嫌か - 東京永久観光

    東京都教育委員会は03年度から都立高の卒業式などで日の丸・君が代の扱いを厳格化し命令に従わない教職員を処罰するようになった。これをNHK『クローズアップ現代』が報じたのに対し、都教委が「極めて遺憾」と申し入れたという。 申し入れの文書が都教委のサイトにある。 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/soumu/nhk.htm 厳しい措置にはやむをえない理由があって、それを掘り下げてくれるというから取材に応じたのに、全然そうなっていない、と文句をつけている。 この番組、たまたま見ていた。 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2005/0503-5.html 最後に横山教育長自らが中継先のカメラに登場し、スタジオの国谷キャスターの質問に直接答えた。予め収録して編集したもののようだったが、それでも「よく出てきたなあ」と感心した。

    そんなに嫌か - 東京永久観光
    Hebi
    Hebi 2005/04/10
    東京都教育委員会の『クローズアップ現代』への申し入れ
  • 軽挙妄動(お買いもの) - 東京永久観光

    きのうはドン・キホーテでちょいと買い物。ふだんコンビニばかりなので、あの品目・品数の猛烈な勢いには相変わらず圧倒される。ただ生鮮品だけは扱わないようだ。野菜とか肉とか魚とか(卵はあったけど)。つまり、箱であれ瓶であれ袋であれ工場経由で規格どおり詰めてそのまま大量に運搬できてそのままストックできることが、安い価格に欠かせないのだろう(まあドンキに限ったことでもないのか…)。 それにしてもドンキに来るたびつくづく思う。生活の何から何までこんなところで買い物カゴに入れてレジに並んでいる皆さん、貧乏くさいですよと。そうして一緒になって商品の山をまさぐり、空いたレジを競って探している私。すべて不況が悪いのか。いや、たとえバブルの頃だって、金額が馬鹿デカかっただけでガツガツ、ケチケチしていたのは同じだったな。血眼になって物を買うというのはなんだか一貫して「さもしい」。なんだろうか、これは。パッケージ

    軽挙妄動(お買いもの) - 東京永久観光
    Hebi
    Hebi 2005/03/07
    >価格や市場というパッケージによって完全にくるまれているとも言える。こればかりは剥がせないだけでなく
  • 驚愕のサイズ(iPodシャッフル) - 東京永久観光

    iPodシャッフルを初めて見た。友人が首から下げていた。iPodになんかまた新しいのが出たとは聞いていたが、こうなってしまったとは! ウォークマンが初めて世に出たときの驚きを思い出す。1979年、そうたしかそんな頃だった。四半世紀か。懐かしい。どうも最近いわゆる「何を見ても何かを思い出す」…。ともあれiPodシャッフルが欲しくなって、後日ショップを回ってみたが、完全に予約待ち状態だった。同じメモリータイプの装置も他社からたくさん出ている。今はそうなのか、知らなかった。なんだろう、この変化の激しさは。 ちなみに、iPodシャッフルを首から下げていた友人というのは、復興支援の仕事で先日アフガニスタンから帰国したばかり。自分への慰労として買ったという。電力も万全でない場所にいたのに、あまりにも変わり身が早い。というか、私があまりにも世情に疎い。iPodのことだけでなくアフガニスタンについてもいろ

    驚愕のサイズ(iPodシャッフル) - 東京永久観光
    Hebi
    Hebi 2005/03/01
    >しかし我々はいつでもやれることは絶対にやらない。
  • 「これが、戦争なんだね」 …違うよ! - 東京永久観光

    三崎亜記『となり町戦争』(小説すばる新人賞) ASIN:4087747409 書き出しで作風や展開の読めなさにわくわくし、途中でもカフカの『城』かボルヘスかとまで思わせた。しかし結局は完全な期待はずれ。 戦争を知らない生ぬるさは、この程度の生ぬるさではないということだ。 我々はたしかに身近な戦争を知らない。でも、遠くから伝わってくる戦争をただ眺める気分なら嫌というほど知っている。その気分だって、それなりにもっとこう「目茶苦茶な中途半端さ」でなければ回収できない。このような平板な自問自答や叙情的な結末に行き着いてもらっても困る。現代の生ぬるい戦争に対しても生ぬるい恋愛に対しても、失礼ではないかな。人物やストーリーの変転ぶりに意外性がないとか、そういう問題ではない。 「となり町戦争は起こらなかった」とかなんとかの感想が書けるかと思いきや、となり町戦争は、実に陳腐に起こり、実に陳腐に終った。がっ

    「これが、戦争なんだね」 …違うよ! - 東京永久観光
    Hebi
    Hebi 2005/02/28
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