『複雑さを生きる やわらかな制御』(安冨歩) asin:4000263501 表紙も書名もそっけなくて、ためしに読んでみるかという感じだったのだが、これがじつに、原理的かつ実践的な知恵を無尽蔵に与えてくれる、そんな一冊になった。 どのような原理や実践かというと。 複雑なものと複雑なものを、無理に制御したり制止したりせず、自ら反応し合うのに任せておけば、それら本来の複雑さこそが発揮されることによって、なんかうまくいく。それが人間の身体や心であり、人付き合いであり、仕事であり事業であり、経済であり社会である、といったようなこと。それはまあ摩訶不思議としか言いようがないが、そういうものなのだろう。(引用ではないのでご注意を) もっと詳しく吟味して紹介したいが、余裕がない。とりあえず。 仕事とはだいたい、ややこしい要素をややこしく組み合わせてますますややこしいものを新たに作っていく作業といえる。そ