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いくつか本も読んだ - 東京永久観光
無神論者は死をどうやって受容すればいいのか。そんな問題意識からこの小説は書かれたという。巻末に作... 無神論者は死をどうやって受容すればいいのか。そんな問題意識からこの小説は書かれたという。巻末に作家の弁として紹介されている。そんなことをあっさりはっきり打ち出していたことが驚きだった。自分が死んでしまうことについて大抵の人があまりに考え込まないようであるのに比べ、私はいくらか考え込むほうなので、貴重な参照項となりうるからだ。とはいえ、読み終えて「そうか死ぬってこういうことか!」と膝をポンと叩くには遠い。いや、いかなる小説を読もうとそのような納得に至れるとは私には思えない。しかしながら、読後も不思議な異物として横たわるかのようなこの小説を、その究極の問題意識の存在感が、ひとつ確実な光線となってにわかに照らし出したのは本当だ。 まったく知らない作家の小説を、なんの前情報もなく読んでみるという楽しみもあった。ネット的には「まだクリックしたことなかった」本ということ。 ジム・クレイス『死んでいる』
2006/03/12 リンク