大阪大学社会経済研究所教授・付属行動経済学研究センター長1961年生まれ。京都大学経済学部卒、大阪大学大学院修了。経済学博士。専門は行動経済学、労働経済学。2008年日本学士院賞受賞。主な著書に、サントリー学芸賞受賞『日本の不平等 格差社会の幻想と未来』(日本経済新聞社)、『競争と公平感』(中公新書)など。最新刊に『脳の中の経済学』(共著・ディスカバー携書)。 おかねは「論」より「感情」で動く!?――最新経済学で考える「よりよい社会」のつくり方 「行動経済学」に「神経経済学」と、ここ数年、続々と新しい経済学の潮流が生まれています。バブルの分析や不合理な人間感情と経済の関係など、すでに社会的にも意義のある成果が生まれています。これらの成果は、経済学が、心理学や神経科学、果ては物理学といった研究領域と協働して生まれたものでもあります。本連載では、こうした社会科学と自然科学が融合して進められてい