任天堂対コロプラの訴訟について書いた前回の記事で付記的に書いた「自分で特許を持っていても、それを理由として他人の特許権を侵害しなくなるということはありません」という部分に結構な反応がありました。この機会に、自分が特許権を持っていることと、他人の特許権を侵害しないことの関係について説明します。私が金沢工業大学虎ノ門校(社会人向け大学院)の授業で使っているたとえです。 新規性・進歩性がある発明を例に使うのは難しいので(ちょっと無理がありますが)椅子がない世界というものを想定します。人々は不便だなと思いながら床に座ったり、切り株に座ったりしていました。 ここで、Aさんが板に4本の脚を付けて、その上に座ると楽で、持ち運びも便利であることを発見しました。Aさんは、「座板+4本の脚」というクレーム(特許請求の範囲)で特許を取得しました。これにより、Aさんは「座板+4本の脚」という構成要素を持つ椅子の製