【ジャカルタ=矢野英基】インドネシア政府が、インターネットや書籍、映画などのメディアに対する表現規制に乗り出した。同国ではスハルト独裁政権時の厳しいメディア規制への反省から、民主化後は表現の自由が重んじられてきただけに、「時代が逆戻りしたのか」との批判が上がっている。 情報通信省が先週、「電子犯罪を防ぐため」としてインターネット上の表現を規制する方針を発表。大手紙コンパスが17日に報じた規制案によると、対象はポルノやギャンブル、他人への蔑視(べっし)、虚偽のニュース、恐喝、個人のプライバシーなど多岐に及ぶ。 サイトに書き込みをした者ではなく、サイトの管理者が罪に問われるため、ブロガーらは「管理者がすべての表現に責任を負うのは不可能。政府が好ましくないと思うサイトを締め出す意図がある」と反発している。 政府は昨年末には、スハルト氏が1960年代に政権を掌握した過程や、パプア地域の独立問