やれやれ、やっと終わった。 7月11日の参院選、いや鳩山由紀夫前首相が退陣表明した6月2日から続いた民主党内の権力闘争はようやく一区切りついた。 一国の宰相の座をかけた戦いほど面白いものはない。今回は民主党の生みの親だと自他ともに認める鳩山氏が、菅直人首相と小沢一郎前幹事長との間に立って報われぬ調停役というピエロを演じたために、権力闘争につきものの愛と憎しみ、信頼と裏切りに涙と笑い(嘲笑(ちょうしょう)ではあるが)が加わった。 さらに女性議員の醜聞が週刊誌をにぎわせ、役者の器量はともかく、ドラマとしては大いに楽しめた。メディアが代表選を派手に扱ったおかげで、菅内閣支持率が急上昇するおまけまでついた。 だが、3カ月以上の権力闘争によって、国益が損なわれてしまった事実を忘れてはならない。 異様な円高株安に効果的な対策を打ち出せなかったのはもとより、国政全般に支障が出ている。尖閣諸島付近の漁船衝