社会保険事務所職員らによる厚生年金記録改ざん問題で、社会保険庁は1日、「厚生労働省・社保庁の歴代幹部に釈明や見解の提出を求め社保庁が公表すべきだ」と提言した有識者委員会の文書を公表した。 この文書は、舛添前厚労相直属の「年金記録問題拡大作業委員会」(委員長=磯村元史・函館大客員教授)がまとめ、今年9月初めに前厚労相に提出されたが、前厚労相は「委員会の会議資料」などとして公表していなかった。この文書について、長妻厚労相は就任直後に公表を指示。この日の閣議後記者会見では、提言に沿った対応を検討する考えを示した。 文書では、年金記録を改ざんした現場職員は「保険料滞納の解消と、事業所側の倒産回避との板挟みにあった」と分析。その上で、制度の不備を改善する努力を怠ったとして、歴代幹部の責任を指弾している。