東京都内の二つの雑誌社で仕事を掛け持ちしていた女性(26)=当時=が過労による精神疾患で自殺した問題について、東京労働者災害補償保険審査官は、新宿労働基準監督署の決定を取り消し、労災認定しました。東京過労死弁護団事務局長で八王子合同法律事務所の尾林芳匡(よしまさ)弁護士が十六日、記者会見で明らかにしました。 この女性は二〇〇四年十月一日から、二つの出版社でアルバイトをしており、労働時間は二社合計で月三百七時間を超え、同月二十九日に自殺しています。 請求人である両親が、女性の自殺が業務上の災害だと労災認定請求しましたが、新宿労基署署長は〇六年一月、業務外の災害と認定しました。しかし、東京労災保険審査官は、同労基署長の決定を取り消して労災認定を決定し、五月十五日付で請求人に通知しました。 労基署は過労自殺について、心理的負荷が強い出来事がない限り、中程度以下の負荷となる出来事が複数あっても、業