校庭のテントの下で「反貧困」のグッズを販売していた主催者メンバーの表情がとてもよくて、そのことをもう一度書いておきたい。昨年暮れにNHKの『ワーキングプアⅢ』を見たときの感動が再び涌き上がってきた。500円のハンドタオルを買い、千円札を出して500円のお釣りを受け取ったのだが、そのときの若い女性の真剣な眼差しが、震えるような祈りと願いを漂わせたもので、忘れられない印象を刻みつけたからである。日本人は中産階級の生き方をしているときが一番美しい。その中産階級としての生き方を剥奪された現在の日本人がある。けれども、人間は奪われたものを回復しようとしたとき、その本来の美しさを人間性として回復する。奪い返すものは人間としての尊厳。テントの下でボランティアで働いていた若いメンバーの姿に中産階級の日本人の美しさが神々しく甦っていた。人間の尊厳に触れる思いがした。 「反貧困フェスタ2008」のイベントを支