住民たちがよく耳にするフレーズがある。 「荻野先生が、電磁波の測定に来られた」 このフレーズをわたしは全国各地で聞いた。 荻野先生とは元京都大学の講師で、電磁波環境研究所を主宰している荻野晃也博士のことだ。電磁波研究の第一人者である。一貫して電磁波の危険性に警鐘を鳴らし続けてきた。 荻野さんは 『危ない携帯電話』(緑風出版) の中で、日本における電磁波研究の実態を次のように批判している。 この日本では、政府からの支援による研究が行われています。上野照剛東大教授(定年後、九州大学特任教授)を委員長とする「生体電磁環境研究推進委員会」なのですが、2007年3月に最終報告書を提出して解散しました。10年間で研究支援に使われた費用は100億円を超えるのではないかと思われるのですが、危険性を示す研究はゼロといって良く、安全宣伝費用に使われたと言って良いでしょう。 その委員会は電磁波利用に利益のあるよ