社説 日韓併合首相談話 和解と絆深める出発点に2010年8月12日 朝鮮半島の人々の尊厳と名誉を踏みにじった日本による韓国併合から100年の節目を迎え、菅直人首相は談話で「多大の損害と苦痛に対し、痛切な反省と心からのお詫(わ)びの気持ち」を表明した。 「反日独立」の象徴だった3・1独立運動に触れた上で、「政治的・軍事的背景の下、当時の韓国の人々の意に反して行われた」として植民地支配の強制性を認め、「国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷つけた」と言及した。 日本の軍国主義の過ちがもたらした隣人の苦難に正面から目を向け、反省する姿勢は評価できる。 「負の歴史に誠実に向き合う」と誓った首相談話が、日韓両国民になお横たわる歴史認識のわだかまりを解き、一層の和解と、文化や経済を通した絆(きずな)を深める基盤となることを期待したい。 日本は、近代化と並行して朝鮮への介入を強めた。日清、日露の