先日仕事で熊本へ行った際、熊本城を見物した。中には西南戦争の遺品も展示してあった。維新の立役者でありながら、明治新政府に反乱を起こした西郷の心中がいくらか想像できた。革命家にとって革命の成就を見ることは、必ずしも幸せなこととは限らない。今テレビでは坂本龍馬が人気を集めているが、坂本、高杉晋作、吉田松陰といった人々が生きて明治新政府を見ていたら、新政府に対しても反体制に転じたかもしれない。そんなことを考えたのも、民主党政権の混迷をどう論じるか、ほとほと困っていたからである。 菅政権は内外の難問に非力さをさらけ出し、支持率も再び低下傾向である。個々の問題についての対処法を論じる前に、この政権が何のためにできたのかを確認することが必要である。最近の菅首相を見ていると、誰のおかげで首相になれたのか忘れたのかと言いたくなる。昨年の総選挙で民主党に期待を託した人々よりも、およそ民主党に投票したこともな