「救急車で病院に運ばれ一カ月入院した人から『国保証がなく、百万円以上請求されたが払えず困っている』という相談を受けた」。日本共産党の浅名勝次埼玉県蕨市議からこんな連絡が入りました。命にかかわる深刻な事態を各地で引き起こしている国民健康保険証の取り上げ。相談した南里陽子さん(60)のアパートを、浅名市議とともに訪ねました。(内藤真己子記者) 「まさか、こんなことになるとは思ってもみなかったんです…」。同市内で小さな居酒屋を営んでいた南里さんは、病み上がりの青白い顔色で、この間の事情を語りました。 一人ぐらしの南里さんが急な体の変調を覚えたのは昨年十二月二十二日の朝。吐き気がして、起きあがれず救急車で隣接する川口市の病院に運ばれました。 脳こうそくと診断され緊急入院。しかし保険証はありませんでした。 店は不況でお客が減り、店の経費の支払いを済ませると手元に残るのは月二万円程度。「店の残り物で済