[はじめに] 小生が、大学で最終講義をして、いわゆる現役を離れて4年になります。現在は、翻訳のほかは、もっぱら俳句や書などの趣味に明け暮れています。 しかし、長いことメディア批評や社内オンブズマンを続けていたため、メディアとは縁が切れず、一人でぶつぶつ言いながら読んだり観たりの日々を過ごしています。 〈梟が鳴いていますと独りごち〉(愚句)というところです。 そこをつけ込まれて、「NPJに何か書け」 とのお達し。「不定期の雑文ならば」 とお引き受けしたのが、今回から始まる 「メディア傍見」 です。 「傍観」 より、もう少し意味のあるメディア・ウオッチングに、身辺雑記をも交えて、肩のこらないコラムにしたいと思います。 9月末、自民党総裁に選ばれた谷垣禎一氏は、10月26日の鳩山首相の所信表明演説について記者団の前で批評した際、日ごろの慎重な物言いに似合わず、 演説と議場の様子をヒトラーとナチス