電子書籍について語られないこと(1/3) アメリカでキンドルが売れ、日本でも5月末にiPadが出て、電子書籍元年と騒がれている。 電子書籍元年は、メディアによって作り上げられたイメージとまでは言わないが、少なくとも期待が増幅されていることは確かだろう。 私も含めてこの件についてコメントを求められた人の多くが感じていることだが、電子書籍の時代が来るための問題点を語ってもそれは取りあげられず、景気のいい話だけが報じられる。それによって電子書籍の時代が来たというイメージが膨らんでいく。 こうしたことは何につけしばしば起こることだが、実態を少しでも知っているだけに、その言葉の空虚さが感じられてならない。 ○すでに何度も「元年」 電子書籍に関心を持ってきた人ならば誰でも知っていることだが、電子書籍元年と騒がれたことはすでに何回もある。 そのたびにうまく行かず、結果として何度でも「電子書籍