当初から脆弱性を指摘されていたWEPだが…… 1997年に規定されたIEEE 802.11をはじめとして最新のIEEE 802.11nでも、無線LANの性質上、空間を伝搬している信号を誰にも気づかせることなく盗聴することが可能である。特に伝搬範囲を正確に制限することが難しく、利用を想定している範囲外(室外)に信号が伝搬することからその対策が必須となる。 信号電力を制御することや電波を遮蔽することは事実上不可能であることから、物理的ではなく、いわゆる論理的に信号を処理する必要がある。すなわち暗号化を行って、利用を制限する必要がある。当初このため、提案された暗号化の規格が「WEP(Wired Equivalent Privacy)」あった。 WEPではRC4というストリーム暗号が用いられ、104ビットの鍵と24ビットのIV(Initial Value)が設定されている。通信相手間だけで104ビ