労働市場改革の経済学 作者: 八代尚宏出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2009/11/20メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 76回この商品を含むブログ (13件) を見る 八代尚宏『労働市場改革の経済学 正社員「保護主義」の終わり』では、「労・労対立」を主たる論点としている。「労・労対立」とは、同一企業に勤める労働者でありながら、属性の違う労働者(例えば、正社員と非正社員)の間に利害の対立と雇用の格差が生じることを意味している。なお、同書では、必ずしも正社員と非正社員の間の対立だけを意味しているわけではない。 「労・労対立」はいかにして生じるのか。八代は、これを、日本の経済成長率が低下し、世界経済の中での日本経済の相対的な地位が低下する中で、これまでの日本的雇用慣行は機能不全に陥り、これを低成長下の経済に適合するよう変えてこなかったことによって生じたとする。派遣労働の