https://forkwell.connpass.com/event/319444/ の登壇資料です。
ソフトウェア開発プロジェクトは、「兼務」を用いるチーム編成が多用されやすい対象ではないでしょうか。エンジニアであれば誰もが経験したことがあるでしょう。1人で複数のプロジェクトやチームを掛け持ちするあれです。マネージャーであれば、組織の人的リソース配置を考える時の手段の1つとして用いたことが何度かあるはずです。 しかし、兼務が引き起こす様々な弊害や問題については、あまり意識されないまま多用されているように感じます。 たとえば、兼務者本人にとってプロジェクトの掛け持ちは、仕事のマルチタスク化やミーティングの増加に苦しむ原因になります。組織の観点からも、兼務への依存は、知識の偏りや負荷の偏りという弊害をもたらすことに繋がりかねません。プロジェクトの観点から見ると、兼務という形での「人的リソースの共有」は、プロジェクト間での「リソースの競合」を引き起こしやすく、それが市場投入までの時間を長くする要
前提としてクリエイティブな仕事は再現性が低い。しかし逆に言えば再現性があってはいけないものがクリエイティブであり、再現性がないからこそクリエイティブであると言える。アートのように非再現的なものはクリエイティブであり、再現性が低く刹那的な成果物であることに意味がある。 ソフトウェア開発にもまたアート的なクリエイティビティが求められつつも、ビジネスとしての利益追求では再現性が同時に求められることが多い。従って、多くの現場ではソフトウェア開発を再現性の高い労働集約的な仕事に転換しようとする。むしろ、そうしなければ開発組織の規模をスケールさせることができない。 ここで言うクリエイティビティの有無とは本質的に技術力とイコールであり、その具体性の表出はフレームワークやプログラミング言語を使うことではなく、逆にそれらを生み出す側にある。このレベルの技術力を持つ人材を集め続けるのは無理があるが、一方で技術
「ビジネス・ソフトウェア・ヒト」の3要素を設計する 塚本圭一郎氏(以下、塚本):松本さんとお話しするのは初めてですね。私は新卒でドワンゴに入社し、ビッグデータ分析基盤の構築と運用、特にニコニコ事業向けの基盤構築に従事しました。その後、KADOKAWAにもこのノウハウを輸出するようオーダーを受け、KADOKAWA Connectedに参加。現在はKADOKAWA ConnectedのCDOとして、KADOKAWAグループのデータ基盤と戦略の策定に携わっています。 松本勇気氏(以下、松本):私は東京大学在学中にGunosyに参画し、ソフトウェア開発を担当しました。Gunosy上場後はCTOとして全社統括、採用、組織作り、新規事業開発を経験しています。その後、DMM.com(以下、DMM)へ移り、約3,000名規模のテックカンパニー化に向けた組織改革に2年半携わりました。現在はLayerXの代表
リリースするたびに「影響範囲の考慮漏れ」によるトラブルを起こす。こういう症状は、既存のソフトウェアシステムに追加開発を繰り返す組織によく見られるのではないかと感じます。コードやシステムの変更が影響を及ぼす箇所を見逃してしまい、未修正な箇所が残されたまま本番リリースされたために発生するトラブルです。 このようなトラブルが頻発すれば、関係者らは不満を感じます。エンジニアたちの能力に不信感を抱くかもしれません。 しかし、不満の矛先をエンジニアに向けたところで問題が解決することはありません。そもそも原因を見誤っているからです。根本的な原因は、もっと奥深くにあります。 影響範囲の考慮漏れの多発は、ソフトウェアシステムが大きな問題を抱えていることを知らせるサインです。このサインを見逃して表面的な対策ばかりを続けていると、症状が良くなるどころか、かえって悪化し続けることになるでしょう。 問題/原因の3層
虎の穴ラボ株式会社 CEO 野田純一 大学卒業後、受託開発の会社に入社。その後DeNAにてゲーム開発に関わったのち、GMOへ入社。アドテク開発や研究に取り組む。2016年に虎の穴ラボの前身であるユメノソラHDに入社し、当時新規事業だったFantiaの開発の傍ら、開発組織の環境整備やエンジニア採用に取り組む。2019年10月、ユメノソラHDのエンジニア組織が「虎の穴ラボ株式会社」として分社化し、CTOに就任。2023年9月より現職。 美少女のイラストに「エンジニア採用!」「今後もずっとフルリモート!」の文字が踊る。一度は目にしたであろう、あの個性的な採用広告の広告主は「虎の穴ラボ」。同人誌通販「とらのあな」を運営するユメノソラホールディングス株式会社から分社したエンジニア・クリエイター組織です。 現CEOの野田純一さんは元GMOのシニアエンジニア。ユメノソラにはエンジニア組織の立ち上げ・拡大
近年のソフトウェアプロダクト開発組織の活動単位としてよく言われるのは、「少人数で安定したチーム」であろう。表現は違えど、どの文献でもそのように述べられる。 それでは、「少人数」と「安定」の2つの要件を満たせば高パフォーマンスなチームが設計できるかと言えば、そんなはずもない。他にも要件があるはずだ。 そこで、チームに共通して必要だと考える要件を、設計に関わったこれまでの組織から抽出して言語化し、原則としてまとめてみた。それが、「安定」「アトミック」「非兼務」「少人数」「流動性」「イテレーティブ」の6つだ。 初期に携わった組織には欠けていた要素もあるが、何度も失敗を重ねるうちに見いだしたものだ。組織設計のプラクティスとしてよく聞くものもあるが、いずれも実体験を経て必要だと感じたものばかりである。 なお、本記事で取り上げる6つのチーム設計原則だけでは、組織設計として不十分だ。チームにどういった機
ソフトウェアと経営マガジン第75回です。組織改革に取り組むにはまず正しい現状認識から、ということで今回と次回は課題のヒアリングと整理についての考え方を書いていこうと思います。前編では、まずヒアリングを重ねようということで、どのようにして課題をかき集めるか、それによって生み出すべきアウトプットとはなにか書いていこうと思います。 記事に対する疑問や感想、意見などXでのポストや記事へのコメントをいただければ、今後のコンテンツの改善に役立てさせていただきます、よろしくおねがいします。 前回の記事はこちら。 課題ヒアリングと分析改革の第一歩は自分自身の組織を正しく知ることだ。自身の組織を知る上では①課題②KPI構造③人を私は重視している。その上でまず知るべきは自身の組織の課題構造である。課題は点ではなく線、構造的なものであるという前提に立って、まずはこれらを収集・整理してみよう。 課題ヒアリングで求
私は今までのキャリアの中で、CTOのいない会社に3回入社してきました。うち2社はEMとして入社してVPoEになりました。そこでの反省はもちろんありますが、成果を出すことができました。そして1社は、なんと3週間で退職しました…。 OPENLOGI Advent Calendar 2023で今年は何を書くか考える中で、私のようにCTOがいない会社に何度も入社した経験があるEMはそうそういないのではないかと思いました。将来CTOのいない会社に入社するCTO・VPoE・EMといったマネジメント層の方に、私の経験から学んだことを参考にしていただければと思います。 ※OPENLOGIには現在CTOは在籍しております。 CTOのいない会社とは CTOのいない会社とは、エンジニア組織のトップであるCTO・VPoE・開発部長といった立場の人がいない、もしくは、トップはいるけれど何らかの理由(トップがエンジニ
はじめにこれはEngineering Manager Advent Calendar 2023 25日目の記事です。 毎日良質な記事がアップされて、完全に俺得な一ヶ月でした。ご参加いただいたみなさんありがとうございます。 最終日の記事では、EM Advent Calendarを俯瞰しながら執筆している私のEMキャリアをふりかえり、結局のところEMとは何なのか、ということを考えてみます。 Advent CalendarにおけるEMの多様性と共通点LLM時代におけるEMという、実に2023年的な切り口から始まったこのAdvent Calendarには、実に多様なコンテンツが集まってきました。 新任EMの方の奮闘の記録、手を動かしてなんぼという考え方、スクラムとの接近、プロジェクトマネジメント的アプローチ、オブザーバビリティのEM業への援用、キャリア論・・・。 共通しているのは「マネジメント対象
記事のポイント 多くの組織が心理的安全性を「思いやり」や「いい人であること」と誤解しており、これがビジネスに悪影響を及ぼしている。 従業員が報復を恐れずに問題を指摘できる環境を作ること。これにより最高の業績とパフォーマン […] 記事のポイント 多くの組織が心理的安全性を「思いやり」や「いい人であること」と誤解しており、これがビジネスに悪影響を及ぼしている。 従業員が報復を恐れずに問題を指摘できる環境を作ること。これにより最高の業績とパフォーマンスが生まれる。 心理的安全性の概念を長年研究してきたエイミー・エドモンソン教授は、心理的安全性が「弱み」ではなく「武器」になると強調し、正しい理解と適用が必要であると説く。 雇用主は従業員の心理的安全性(psychological safety)を十分に理解できていない。そしてそれはビジネス上、極めて良くないことであると、専門家は警鐘を鳴らしている
「めちゃくちゃ勉強してソフトウェア開発も、アジャイルな開発もできるようになってきた! ところがせっかくうまくできるようになったけど、顧客への貢献にはなかなか繋がらない…」こんな悩みををよく聞きます。 この10年間でスクラムなどのアジャイルに関する情報やノウハウは増え、社会的な理解も広がり、その結果アジャイルははじめやすく、習熟もしやすくなっています。開発チームは急速に学習し、能力が高められやすい状況にあります。 ところがプロダクト価値の観点から見ると、開発チームも社内の他部署も、そして顧客も不満を持っていることがあります。せっかくアジャイルな活動ができるようになっても、プロダクト価値に繋げるまでにいたっていないことが多々あります。 本セッションでは、プロダクトという観点からアジャイルを捉え直し、開発チームや社内の他部署、顧客も満足するためのお話をします。 プロダクトマネジメントなど過去の登
JAWS UG 函館勉強会 Vol12 徹底解説マイクロサービス 〜マイクロサービスのメリット、デメリット、なぜマイクロサービスを選択するのか〜
dmm.go #6 の登壇資料です。 https://dmm.connpass.com/event/295065/
組織が拡大しても質の高いDDDを守れるか?ログラス松岡氏・村本氏に聞くDDD浸透の切り札 2023年9月19日 株式会社ログラス EM 松岡 幸一郎 新卒で日本アイ・ビー・エムに入社し、大手銀行向け業務アプリケーション開発に携わる。4年後にビズリーチに転職。社外サービスや社内業務システムの企画・開発を担う一方で、「ドメイン駆動設計」についてブログなどで発信し、勉強会も数多く主宰。DDD普及活動を通じて知り合ったログラスに転職し、EMを務める 株式会社ログラス エンジニア 村本 雄太 新卒で人材系ベンチャーに入社し、インフラ責任者やテックリード、新規事業開発などの業務を担う。 2021年11月、ログラスに入社。スクラムチームのリーダーとして、チーム改善の推進や開発のリードを担う アジャイル開発の普及により、その関連手法であるドメイン駆動設計(Domain-Driven Design:以下、D
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