ブックマーク / kamiyakenkyujo.hatenablog.com (27)

  • バトラー後藤裕子『英語学習は早いほど良いのか』 - 紙屋研究所

    英語が必修になったのは、いつごろからだろうか。 1950年代くらいだろうか。 さにあらず。 2002年からだという。 というのは少し不正確で、必修になったのは「外国語」である。そして学習指導要領では外国語というものは「原則として英語」として定め、英語を学ばせているのである。寺沢拓敬『「なんで英語やるの?」の戦後史』(研究社)による。 寺沢の同書は、戦後史のなかで英語がどのようにして「みんなやる」教科として成立していったのかという「謎解き」をしている。1950年代に「一度はふれる教科」となり、1960年代に事実上の必修化をしていく。 『「なんで英語やるの?」の戦後史』は、戦後の英語教育論争をまとめてあるのが役立った。加藤周一が、英語なんて義務教育で全員に必ずやる必要があるんかいなと問題提起したことや、自民党の平泉渉参院議員が渡部昇一とやった論争などが紹介されていて、そこで今日議論になっている

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    K416 2016/03/23
  • 質問の緊張感 - 紙屋研究所

    志位和夫の党首討論が話題になっているが、元官僚だった松井孝治(慶応大教授、元民主党議員)のフェイスブックの投稿が面白かった。 https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1630450053835851&id=100006126152789 興味深かったのは党首討論の内容もさることながら、質問通告をうけての議員と当局側の駆け引きの緊張感について松井の投稿が触れていることだ。 松井の投稿を読むと、党首討論は普通の質問と違って、かなり粗い質問通告が許されている。「クイズ質問」といわれないように、ポツダム宣言という、戦後認識の根幹にかかわり、しかも非常に短い重要文書への認識を問うという戦略をとった志位のやり方を、うまくやりやがったなあと評価しているのである。 このあたりは志位氏のうまいところで、戦後レジームからの脱却を唱える総理が、ポツダム

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    K416 2015/05/21
  • 『犯罪社会学研究』第38号 - 紙屋研究所

    保育園がいっしょだった親御さんと話していて、また地域で不審者情報が出たというので不安がっていた。その前日、ぼくはある学習会の講師で「犯罪は激減しています」としゃべっていたのであるが、その親御さんの意見をふんふんとうなずいて聞いていた。 そういう話をしていたら福岡県で女子小学生が殺害され、この文書を書いている最中に和歌山県で男子小学生が殺された。「数十秒目を離したスキに…」「自宅のすぐそばで…」と報じられるので、うちのつれあいとかはもう四六時中娘に張り付いてないといけないかのような思いにとらわれている。 日中、そして先進国で犯罪は減っている 福岡市では犯罪が減っている。2002年をピークにして半分くらいに減っている。 日全国で同じような傾向をたどっている。 さらにいうと先進国全体で犯罪は減っている。 最初にそのことを知ったのは2013年7月3日の英誌「エコノミスト」の記事だった。それで関

    『犯罪社会学研究』第38号 - 紙屋研究所
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    K416 2015/02/08
    すごく面白い。雑誌に掲載された論文からさらに発展する議論として。
  • 竜田一人『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』 - 紙屋研究所

    「週刊プレイボーイ」のマンガ評「この漫画がパネェ!!!」で竜田一人『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』(講談社)について書いた。書のオビでも(小さく、だけど)紹介されている。*1 記録マンガとしてすぐれている ぼくは、『いちえふ』について、基的には記録マンガとしての素晴らしさを評価した。これはすでに多くの人が指摘している通りである。 映像=絵としての記録、というシンプルな意味である。 文字で読んだ原発のルポでは、空間的な認識をどうしても起こしにくい。30年以上前のルポである堀江邦夫『原発ジプシー』(現代書館)は後述するが大変すぐれた潜入ルポである。しかし、文字によって得られる空間イメージはやはりかなり制限される。ところどころ、作業の写真が載っているのだが、昔の写真であるためか、全体的に黒っぽくてわかりにくい。増補版p.164の写真など何がなんだかわからない。 竜田『いちえふ』では、

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    K416 2014/05/02
    なるほど。そしてコメント欄…。
  • 初心者が竹島問題を学ぶ2著 - 紙屋研究所

    「我が国固有の領土」とは 竹島・尖閣諸島についての政府見解で「我が国固有の領土」って出てくるけど、あれってどういう意味だろう。 「固有」がわかりにくいのな。固有って、領土問題では、その国だけのもの、って意味じゃねーの? 領土がどこかの国のものだなんて当たり前じゃん。 「大辞泉」とかみると「1 来持っていること」「2 そのものだけにあること。また、そのさま。特有」ってある。それでもよくわかんねーぞ、と思うわけだが、これを「固有の領土」という言い方の解説としてみてみると、(1)昔からその国の領土だということ、(2)その国にしか属したことがない、とかいう意味かなあ……とぼんやり。 最初はネット上のサイトをみた。 ここのサイトをみると、 http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/Hoppou4.htm 現在、政府の言う「固有の領土」とは「わが

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    K416 2014/01/30
    過去の記事だけど。
  • (コメント欄)共産党は癌なのか - 紙屋研究所

    参院選の結果を受けての、東浩紀のこの発言。 共産党は日の癌だ。共産党の主張が悪いというのではない。絶対に為政者にはならないという安心感のもとに、為政者への不満だけを吸い上げる党という存在がある、その事実が日政治をひどく損ねている。共産党の批判は決してぶれないから、そこに不満が流れ込む。でもそれはなにも変えないのだ。 https://twitter.com/hazuma/status/358984438501224448 Twitter / hazuma: 共産党は日の癌だ。共産党の主張が悪いというのではない。絶対 ... この人が、どうして政治的な迷路にハマリ込んでいってしまったのかがわかる。前から言ってるけど、東は自分なりに何か切実な問題(保育園をふやして、とか、生活保護を切り下げないで、とか)をかかえて政治にかかわってみれば、「『共産党はなんでも反対だから』みたいな居酒屋談義を

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    K416 2013/07/23
  • 山口かこ・にしかわたく『母親やめてもいいですか』 - 紙屋研究所

    週刊アスキー2013年5月7-14日合併号に、「私のハマった3冊」を書いた。 【私のハマった3冊】母親の孤独と暴走が重い 今年一番衝撃を受けた1冊 その記事で「今年一番衝撃を受けた1冊」と4月早々に書いてしまった、その作品が作、山口かこ・にしかわたく『母親やめてもいいですか』(かもがわ出版)である。まあ、5月以降もっとすごいのに出会う可能性はあるんだけどね。現時点ではベスト。 サブタイトルに「娘が発達障害と診断されて…」とある通り、文章を書いた山口かこが、娘が発達障害と診断され、それをどう受けとめたのか、あるいは受けとめられなかったのかを描いたコミックエッセイだ。 「受けとめられなかった」と書いたが、作者・山口は、発達障害という診断におびえ、ストレスをためこみ、医者や施設を渡り歩き、ついにその重みに耐えかねて「不倫」をし、家庭をこわして、娘とも離ればなれになってしまうのである。 発達障害

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  • 待機者にもなれません - 紙屋研究所

    ぼくの娘はなぜ「待機児童」になれなかったか きょう(2013年4月3日付)の朝日新聞に「待機児童 数え方変だよね」という記事があった。 朝日新聞デジタル:(くらし時々?)待機児童、数え方変だよね 育休延長も認可外利用も含まず - ニュース 保育園の待機児童というのは、保育園に入れない子どものことだろう、という人がいると思うが、そんなに単純な話ではないのだ。いや、単純にしてほしいんだけどさ。 たとえば、ぼくは子どもが生まれて3カ月たって、近くの認可保育園(カンタンにいうと国の基準に合ったと認められた保育園)に入れないか探したのだが、どこにも空きがなかった。それで育児休暇を8カ月もとるハメになったのだが、そのときぼくの娘は「待機児童」だったのか。え? 待機児童だったに決まってるって? ブッブー。答は「待機児童ではなかった」。 なぜなら、「空いたら入れてほしい」というふうに申し込んでいなかったか

    待機者にもなれません - 紙屋研究所
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    K416 2013/05/14
    特養のそんなことになってんのか。/「「真に必要な人対策」が「必要な人対策」を見失わせる」←大事。あと「「振り分け説得」」も。
  • 土山しげるを語る - 紙屋研究所

    「FRIDAY Dynamaite」の2013年3月14日増刊号で土山しげる作品の魅力について語りました。土山人のインタビューの上に、載ってます。 そう。この号は、今井メロの「特別付録DVD&スクープ袋とじカラー」がついている号です。ええ。 ぼくなりに土山作品について思っていることを、ここでも書いてみる。 ご飯とラーメンべる描写が抜群 土山しげる作品の最大の魅力は、なんといっても、うまそうにべるその描写力にある。 まず、絵柄。グラフィック。グルメ系の漫画料理をうまそうに見せるというハードルがある。劇画作家であり、大学に行きながら夜間に絵の学校に通っていただけあって、画力はすごい。しかし、土山の場合は、なんといってもご飯、飯粒と、ラーメンの描写が抜群と思う。 というか、こだわりがある。 ご飯ものというのは、『極道めし』ではないが、やはり見ている者の喉を鳴らせるうえでは一番の武器だし

    土山しげるを語る - 紙屋研究所
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    K416 2013/03/31
    全体になるほど、なエントリだが、特に『ウシジマくん』と『ズボラ飯』のところにすごい納得。
  • 神田英雄「幼児期の文字と数」 - 紙屋研究所

    5歳の娘を通わせている保育園では、英語とかはもちろん、「あいうえお」などは教えていない。しかし、生活発表会でしりとりをしたりする。このあたりのところをどう考えたらいいのか、よくわからなかった。 この保育園に来ている父母のかなりの部分は、早期教育(早教育ともいう)に非常に批判的な印象をもっている。だから、わざわざこの園に来ている、という人もいる。ぼくらも、自分たちの娘だから、ほっといても漫画にはなじむだろうけど、側転とかあやとりとかそういうことはやらんだろうから、やってくれる保育園がいいな、というくらいの思いで入れた。 ただ、早期教育をなぜイカンとしているのか、あまり考えたことはなかったのである。 当たり前だけど、文字や数字が読めれば、世界が広がる。 楽しんで覚えるなら、そういうものに出会ってもいいではないか、という当然の思いがある。 保育士の話を断片的に聞いていたときは、この園では「そ

    神田英雄「幼児期の文字と数」 - 紙屋研究所
  • 吉岡斉『脱原子力国家への道』 - 紙屋研究所

    政府(国家戦略室エネルギー・環境会議)が2030年のエネルギーをどんなデザインにするか国民に聞いている。8月12日までパブコメを受け付けている。 http://www.npu.go.jp/policy/policy09/archive01.html お前らも当然出すよな。 で、実際、どうすんだ、と。 出口をどうするの? 官邸前での「原発なくせ」「再稼働反対」の抗議行動が広がっている。「あれは少数派だ」という意見があるけど、「原発の即時廃止」という点では確かに少数かもしれない。しかし、「原発ゼロ」というのを「原発の即時廃止派だけでなく段階的廃止・将来はなくしていく人も含む」というふうにまとめると明らかに多数派になる(あそこにいる人のうち、どれくらいがそのニュアンスを含んでいるかは別の話だ)。 ぼくら左翼や、運動をしている人間は、たしかにいま「原発なくせ」「再稼働反対」で盛り上がっているけども

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  • 引用元書けばいいのかよ 議員の海外視察報告書騒動 - 紙屋研究所

    福岡市議会の市議会議員(民主・市政クラブ)の若手4人の海外視察レポートが、ウィキペディアや研究者の論文からのコピペだったというので、地元のマスコミなんかでにぎわいをみせておる。 そのレポートはこれ。 http://www.city.fukuoka.lg.jp/gikai/info/pdf/kaigai240129.pdf たとえば6ページの「リヴァプール市の概要」はほとんどがウィキペディアの「リヴァプール」からの丸写しである。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%AB どれくらい丸写しかというのは、みてもらえばわかる(改行は省略)。 報告書 ウィキペディア リヴァプールは、イギリス、イングランド北西部マージーサイド州の中心都市で、市域面積は111.84平方キロメート

    引用元書けばいいのかよ 議員の海外視察報告書騒動 - 紙屋研究所
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    K416 2012/05/21
    旅行代理店そこまでやるのか。
  • 『福島第一原発の一番長い7日間』 - 紙屋研究所

    こ、これは……! すごい。すごすぎる。あまりにもすごすぎる漫画だと言わねばなるまい。 いや、いま震災関連の漫画とか読んでるんだけど、その1冊として書が目にとまり、手にとってみたわけですよ。 もう一度タイトルをよく見てみよう。 『東日大震災、知られざる戦い 福島第一原発の一番長い7日間』 ふむふむ。 さらにオビにはこうある。 「人知れず、その男たちは命を賭して立ち向かった!!」 「政府と電力会社の密約!? 原発冷却はなぜ遅れたのか」 「自衛隊、涙の戦い 日が誇る救助部隊の苦闘」 「見えない敵との戦い 史上最悪の原発危機に立ち向かった男たち」 ほうほう。 で、開いてみたら「あえてフィクションとして描きました」「この物語は報道関係者、政府関係者などへの独自の取材をもとに構成されたフィクションです」。 なっ、なんだってー!! 石原慎太郎は「水盃」をしたか? たとえばこんな具合である。 全体が

    『福島第一原発の一番長い7日間』 - 紙屋研究所
    K416
    K416 2012/04/15
    「(ある種の)いい話」を求める層に受けようとしたんだろうな。この手の「いい話」は百害あって一利なし。
  • 湯浅誠の声明とインタビューへの違和感 - 紙屋研究所

    湯浅誠が内閣府参与辞任について述べた言葉や、 湯浅誠からのお知らせ: 【お知らせ】内閣府参与辞任について(19:30改訂、確定版) それをめぐって受けたインタビューに違和感がある。 特集ワイド:内閣府参与を辞任、湯浅誠さん 「入って」みたら見えたこと - 毎日jp(毎日新聞) もともとの意図を考えるとうなずけるものはある もともと、湯浅の辞任の言葉は誰に、どんなつもりで言った言葉なのかを考えながら読むといいと思うのだが、まず彼が内閣府参与になったことで政府の犬になったとか、梁山泊の末路状態みたいな受け取られ方をしたことに対して向けられた言葉ではないかと感じる。 湯浅が自分の掲げた要求や理想モデルのために、政府に参画すること自体は、十分にありうることだと思う。ぼくのような左翼だって、自分たちの言っていることを実現するために、部分入閣するなんて有り得る話だし、中央政府だけでなく、地方政治でもい

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  • 架空インタビュー2.0 『一般意志2.0』ふたたび - 紙屋研究所

    東浩紀が『一般意志2.0』についてインタビューを受けている。 「一般意志2.0」が橋下市長の“独裁”を止める?―現代思想家、東浩紀インタビュー(BLOGOS編集部) - BLOGOS(ブロゴス) 全体に「言い訳解説」的になっているのは、誤解というか攻撃というか、マイナスの風がものすごいから、一言言っとくか、という感じなのだろう。知らないけど。 そのなかで明らかにぼくの記事に対する反論もある。 東浩紀『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』 - 紙屋研究所 「しょぼい」という批判にたいして「しょぼくない」と言ってるわけだが、「具体構想がしょぼい」といったのはぼくだから、ぼくの記事への批判だろう。違うの。 んでもって、誰もインタビューしてくれないので、架空のインタビューをしてみた。 東の具体構想の二つの問題点 ――東さんが“しょぼいというが、お前の想像力が足りないんじゃねーの”と批判して

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  • 東浩紀『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』 - 紙屋研究所

    「オルタ」という雑誌で東浩紀の「民主主義2.0」について書いたことがある(2009年11-12月号「メディアから時代を読む #9」)。 そのときまだ茫洋としていた問題について、ぼくは批判や疑問を書き連ねたが、定義づけや具体案をふくめ、これらのぼやけていたものは東の近著『一般意志2.0』で一定の輪郭を与えられることになった。 先にぼく流にざっくりと中身をまとめてみよう。 ルソーの「一般意志」は、あるアルゴリズムにしたがって生まれてくるグーグルのページランクみたいなもので、人々の無意識のデータベース*1から抽出されてくる数学的な結論のようなものである。*2 しかしそのような一般意志は大衆の欲望の集積であり(グーグル型民主主義)、それで政治を運営するのは危険。専門家や政治家たちの熟議(ミクシィ型民主主義)と相補的に用いるべき。民主主義2.0(=ツイッター型民主主義=グーグル型民主主義+ミクシィ型

    東浩紀『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』 - 紙屋研究所
  • 中西新太郎『〈生きづらさ〉の時代の保育哲学』 - 紙屋研究所

    「ちいさいなかま」の「子育て日記」に書きました 保育雑誌「ちいさいなかま」の「子育て日記」という3ページほどのリレー連載があるのですが、2011年12月号のそのコーナーに「紙屋高雪」名義で一文を寄せさせてもらいました。 ぼくとつれあいが交際し、次に就職し、次に結婚、次に同居、そして妊娠、出産するまでを描き、さらにそこから子育てをしていくうえで、育休の利用、職場の理解、忙しい時の助け、保育園という援助……など無数の「手助け」がなければ、おそらく何かをあきらめなければならなかった、ということを書いています。 実は、今号の「ちいさいなかま」は「悩み多き子育てと仕事」という特集になっており、他の人の寄稿文や論文もこのテーマで書かれています。7月にぼくの原稿を書いて12月に掲載というのはずいぶん遅いなと思っていたのですが、特集にタイミングをあわせたのでしょう。 さっき、ぼくの書いた文章の中身を大ざっ

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  • 又野尚『ママ友のオキテ。』 - 紙屋研究所

    「民医連新聞」で『不妊治療、やめました。』を書評 「民医連新聞」の2011年10月3日付で堀田あきお&かよ『不妊治療、やめました。〜ふたり暮らしを決めた日』(ぶんか社)の書評を書きました。タイトルのとおり、不妊治療をあきらめた結末が待っています。医者を渡り歩くことになり、それがさまざまな不妊治療をルポする結果になっています。 とにかく下品な『ママ友のオキテ。』 このとどちらを紹介しようか迷ったのが、こちら、又野尚『ママ友のオキテ。』(ぶんか社)。題名のごとく、ママ友の間のコミュニケーションにまつわる摩擦を自分の体験、他人の体験あわせて描いているルポ形式の4コマ(8コマ)コミックである。 なぜこちらをやめたかというと、非常に下品だったからである。 どれくらい下品かというと、「よりぬき発言小町・子育て編」といえるくらい下品なのである。 まあ、アレだ。 ポテトチップスのビッグバッグを5袋一気に

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  • 『進撃の巨人』と『失楽園』 - 紙屋研究所

    twitterで「『進撃の巨人』は『失楽園』(ミルトン)を背景にしているのではないか」という旨の指摘があったので、考えてみた。 諫山創は自身のブログで、映画評論家の町山智浩が「バットマン」シリーズの「ダークナイト」で『失楽園』を語っているのにインスパイアされて「巨人像」を考えたことを告白している。 町山智浩と言う男がいる - 現在進行中の黒歴史 http://blog.livedoor.jp/isayamahazime/archives/1137082.html そして諫山人は『失楽園』自体は読んでいないと述べている。*1 http://blog.livedoor.jp/isayamahazime/archives/3544297.html 今あらためて聞き返して思うのは、このテーマを扱うにはあまりにも 力不足、主人公にただ「それじゃ家畜だ!」なんて言わせても 伝わるわけがない、結果、や

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    K416
    K416 2011/04/27
    なるほど。
  • 『地域再生の罠』『地域再生の条件』『地域再生の経済学』 - 紙屋研究所

    実家で父の車に乗っていたら、父の知りあいの話になった。 Sという大企業の下請をやっている中小企業のオヤジ・Bさんの話だったが、顔が薬品でボロボロだとか。 Bさんは、S社に「Bさん、今日の緊急会議に出られるかな」といつも呼ばれる。その会議は必ず「単価切り下げ」の話なのだ。いかにこの情勢下で大変なのかが強調され、出席した下請なんか一言も言えずに切り下げを飲まされる。 Bさんは必死で切り下げに切り下げをくらった製品を作り続け、危険な薬品を扱うために顔がボロボロになった。まともな設備もつくらずに「安く」やったのだろう。といってもぼくは会ったことはないので、父母が話している「凄絶」さから想像するしかないのだが。 かつて日の地方工業は、安さを武器にして輸出の土台をなし、成長した。地方で富を生み出し、金融や雇用を通じてその富は地域に還流した。 しかし、いまはその「安さ」ゆえに逆にアジア諸国に仕事を奪わ

    『地域再生の罠』『地域再生の条件』『地域再生の経済学』 - 紙屋研究所