グリム童話集に「怖がることを習いに出かけた若者の話」というおもしろい話があります。 怖いということを感じたことのない若者が、怖いことを教えてくれようとした教会管理人に大怪我をさせたため、親に勘当される。「怖いってなんだろう」と言いながら旅に出た若者に、いろいろな人が教えてくれるが、若者はちっとも怖がらない。ある王女が城に呪い閉じ込められていて、その呪いを解くためには、その城の中で、三夜、荒れ狂う幽霊の怖さに耐えなければならない。父王は、娘を呪いから解放した者を婿にすると告示する。若者は、幽霊がどんなに荒れ狂っても怖いと思わない。三夜、平気で過ごして呪いを解き、王女と結婚する。王女は、結婚しても「怖いってなんだろう」と言う夫が気に入らない。ある晩、寝ている夫の掛け布団をはいで、バケツ一杯の小魚をぶちまける。小魚がベッド一面にピチピチはねまわると、夫は「怖い、怖い」と叫んだ、という話。 私は「