優しいディストピアが近づいているのを空気から感じる.きっとそれはウイルスがもたらす社会変化の一つだと思う. 以前深圳の知り合いと街を歩いているときに,「世界の監視カメラの半数は中国にある」っていうけど,それってどうなのっていうと,「監視されているかもしれないけれど,小役人に賄賂渡すよりはるかにマシ」という答えが返って来た.なるほど,それは確かに緩やかに管理されたある程度のディストピアを目指すモチベーションにはなるかもしれない. 「ウイルス感染者がどこにいるかわかるマップがあったら使いたいか?」 と聞かれたら,使いたいという人も多いかもしれない.そのかわりに自分の位置情報と健康状態を常に晒せと言われれば,そのトレードオフをどう考えるか.では,匿名性を維持したままでウイルスマップを政府がぼんやりと提供するといったらどうだろうか? どこまで個人の自由を束縛し,どこまでシステムによる保全を考えるだ