米国のバイデン政権は7月16日、家賃の引き上げ幅を実質的に制限することを含む新たな住宅コスト削減策を発表した。 今回の発表の目玉は、家賃の引き上げ上限を実質的に5%に制限する措置だ。地域によってバラつきはあるものの、米国労働省が発表した6月の消費者物価指数(CPI、2024年7月12日記事参照)で賃料は前年同月比5.1%の伸びとなっており、今回の上限はおおむね現在の上昇率の水準に合致したものといえる。貸し主がこれ以上の引き上げ幅を設定する場合、法人向けに現在行われている減価償却費の前倒し控除が適用されなくなり、不動産投資に対するインセンティブが大きく損なわれることとなる。 他方、同措置の対象となる法人は50を超える物件を有する大手不動産事業者に限られる。また、住宅の供給が不足している現状を踏まえ、新規住宅の場合や大規模改修・修繕を行った場合の例外規定も設けており、事業者側に一定程度配慮した
今年1月に弊社が実施した「不動産市況アンケート1」(以下、弊社アンケート)において、「不動産投資市場全体(物件売買、新規開発、ファンド組成)の現在の景況感」について質問したところ、プラスの回答(「良い」と「やや良い」の合計)が約6割、「平常・普通」が約3割、マイナスの回答(「悪い」と「やや悪い」の合計)が約1割となった(図表1)。前回調査(2023年初)から大きな変化はなく、プラスの回答が半数以上を占める結果となった。 不動産投資市場では良好な景況感が維持されるなか、不動産価格の上昇が継続するとの見方が増えている。弊社アンケートにおいて、「東京の不動産価格のピーク時期」について質問したところ、「東京の不動産価格のピーク時期」について、「2023年あるいは現時点(既に価格はピーク)」(35%)との回答が最も多く、次いで「2024年」(30%)、「2025年」(25%)との回答が多かった。前回
皆さんは、今の日本の不動産マーケットについてどのように分析していらっしゃるでしょうか。 金利は上昇する見込みなのに、なかなか不動産価格は下落しないとか、外資が日本の不動産を購入しに来ていると聞くが実際はどうなのか…など、気になることもあると思います。 日本銀行が定期的に発行している「金融システムレポート」は、日本の金融市場や資産市場の現在を理解するのに非常に役に立つ発刊物です。 今回は、この金融システムレポートから抜粋という形で日本銀行が日本の不動産マーケットや不動産金融について認識していることを確認していきたいと思います。 日本銀行による「日本不動産マーケット」の視点 日本銀行は、2024年4月発刊の金融システムレポートにおいて、以下のように述べています。 わが国の不動産市場では、⼀部に割⾼感が窺われる。都⼼の商業地区において、局所的に⾼額帯の取引が増えている。 これまでのところ、オフィ
県民のマンションブームを決定づけた4棟 認識されゆく沖縄マンションの高い資産性 資産価値は全国上位、しかも上昇の一途 本島中部の人気エリア、賃料22万円にも殺到 3割の売れ残りも… 明暗分けるものは? 県民の低い持ち家率、行政は「危機感を」 沖縄県内の中古マンションの流通価格が上がり続けている。県内の不動産業者は「那覇市や豊見城市で5年ほど前に買った新築物件を、特に運用もせず、売却しただけで約1千万円の利益を手にするケースもあった」という。 それもそのはず、不動産調査会社の東京カンテイ(東京)のまとめによると、沖縄県内の中古マンション1戸当たりの流通価格は2013年の2001万円から、この10年で3690万円へと上がった。平均専有面積はほぼ変わっていないため、坪単価は1.85倍に大きく伸びた。 背景にあるのは、新築マンションの価格高騰だ。だが今、好調だった沖縄のマンション市場に一部で陰りが
2024/04/11 【不動研だより】長期調査の「田畑価格及び賃借料調」、「山林素地及び山元立木価格調」の意義 「不動産研究」第66巻第2号より 研究部 上席主幹 松岡 利哉 本誌[調査]で報告している「田畑価格及び賃借料調」(以下、「田畑調査」という。)、「山林素地及び山元立木価格調」(以下、「山林調査」という。)は、日本勧業銀行が調査を行った事績に連続でき、前述のとおり2023年調査で田畑調査が第111回、山林調査が第82回の長い歴史ある調査である。 1. 調査価格の変遷 両調査の詳細な報告内容については前述の[調査]の通りであるが、2023年10月23日に公表した田畑調査・山林調査の2023年調査結果と当研究所が設立された1959年調査の価格を基に100として指数化し整理すると図表1のとおりとなる。 図表1 2023年田畑調査・山林調査結果概要 2. 調査結果の推移 1959年の価格
概要 マンション賃料インデックスは、アットホーム株式会社および三井住友トラスト基礎研究所が共同で開発した賃貸マンションの成約事例に基づく賃料インデックスです。ヘドニックアプローチと言われる統計的手法を用いて個別の成約事例について賃料の品質調整を行い、四半期ごとの賃料変化を指数化したものです。主要都市 (東京23区、東京都下、大阪市、大阪広域、札幌市、仙台市、埼玉東南部、千葉西部、横浜・川崎市 、名古屋市、京都市、福岡市)について、アットホーム株式会社および三井住友トラスト基礎研究所のホームページを通じて年に4回公表します。 マンション賃料インデックス公表資料 [2023年9月21日公表] (PDF:3.83MB) -インデックス対象期間:2009年第1四半期〜2023年第2四半期 ※PDFデータはアットホーム株式会社のウェブサイトにリンクしています。 マンション賃料インデックスから見る住宅
2021年春に二つの米地銀トップがタウンホールを開催した時のムードは、実に目がくらむようなものだった。 米地銀持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)とフラッグスター・バンクという二つの金融機関が手を組むことで、より手ごわい存在になるはずだった。 NYCBのトーマス・カンジェミ最高経営責任者(CEO、当時)は「私はそれを白紙のページと見なし、共に描くピカソと呼ぶ」と発言した。 それから3年が経過し、ニューヨークの不動産オーナー向け金融サービスで知られるNYCBは、深刻な困難に直面している。先週にはリスク監視能力の重大な脆弱(ぜいじゃく)性を開示し、カンジェミ氏からアレッサンドロ・ディネロ氏へのCEO交代も同時に発表された。3年前のタウンホールを開催したフラッグスター側のトップがディネロ氏だった。 NYCBが1月末に公表した昨年10-12月(第4四半期)決算で70%の減配
米地銀持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)の株価が1日、一時30%を超える急落となり、1996年以来の安値を付けた。 同社は2月29日、融資審査プロセスに関する内部管理に重大な脆弱(ぜいじゃく)性を確認し、米証券取引委員会(SEC)への年次報告書(10-K)の提出を延期すると公表した。 NYCBは過去の取引の「のれん減損損失」評価の結果、2023年10-12月(第4四半期)と通期の純利益が24億ドル(約3600億円)押し下げられると明らかにした。混乱を乗り切るため、経営陣の交代も同時に発表した。 トーマス・カンジェミ最高経営責任者(CEO)は退任し、アレッサンドロ・ディネロ氏が新たなCEOに即日就任する。同氏はNYCBが22年12月に買収で合意したフラッグスター・バンクの社長兼CEOを務めていた。 NYCBは別の届け出資料で、「効果的でない監督・管理とリスク評価、監
15日の米株式市場で不動産株が上昇。世界最大の商業用不動産サービス会社CBREグループが好決算を発表し、低迷するオフィスリース市場が最悪期を脱した可能性が示唆された。 S&P500不動産指数を構成する31銘柄のうち、1銘柄を除く全ての銘柄が上昇。CBREの株価はほぼ2年ぶりの高値を付け、同業のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールドやジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)も8%を超える上げとなった。 CBREの2023年10-12月(第4四半期)の調整後1株利益は1.38ドル。ブルームバーグの集計データによると、アナリスト予想平均は1.18ドルだった。売上高は9%余り増加し約90億ドル(約1兆3500億円)と、予想の84億7000万ドルを上回った。 CBREはアナリストとの電話会議で、「当社リース収入の約3分の2を占めるAクラス物件を中心とするオフィスリースについて、最悪期は脱したと慎重な
米商業用不動産市場は20兆ドル(約3010兆円)規模に上るが、この巨大市場の淘汰(とうた)が長らく遅れていたのには、単純な理由がある。 不動産にどれだけの価値があるのか、誰も把握できなかったからだ。それを望む人がほとんどいなかったことで決定的となった。 新型コロナウイルスの大流行が世界中の不動産利用を根底から覆して以来、金融機関は高騰する金利に圧迫された借り手に厳しく接し、価値を失ったローンを引き受けるインセンティブをほとんど持たなくなった。 売り手側がディスレスト価格で物件を手放したがらないため、取引は行われなくなった。この結果、どの当事者も根本的には何も変わっていないふりをすることができた。 しかし多くの人々にとって、様子見できる時間は終わりに近づいている。 全米で取引が再開され、不動産価格がどれほど下落しているかが明らかになりつつある。これに伴い、世界の金融システムを揺るがし得る損失
家賃が月2800ドルに近づくと、オーナーは市場価格の家賃を請求できるようになり、アパートは金脈となった。「辛抱強く待っているだけでよかった」とピーターソン氏は振り返った。 しかし19年、手頃な家賃の住宅が減少していることに危機感を抱いたニューヨーク州議会がルールを書き換えた。重要な変更点の一つは、家主が改装後に家賃を上げることができる額が大幅に引き下げられたこと。さらに重要な変更点は、家賃が十分に上昇しても、アパートがプログラムから外れることはなくなったことだ。 20年間で3億ドルをかけて40件以上の物件を購入したピーターソン氏は現在、苦境に立たされている。住宅ローンを滞納し、修繕費の捻出に奔走している。昨年10月には、政府系住宅ローン会社であるファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)が、164丁目のビルを含む所有物件12件に対する差し押さえ手続きを開始した。 「私のキャリアは終わった。私のレガシ
■要旨 1――低迷を続ける中国の不動産市場 中国では不動産不況になかなか歯止めが掛からない。販売面積は直近ピークの6割ほどまで減少し、価格も下落を続けている。中国はこれまで何度も不動産不況を経験している。しかし販売にしても下落幅にしても在庫にしても過去のそれよりはるかに深刻だ。そして不動産業の成長率は2年連続でマイナスとなり、多くの不動産デベロッパーが経営不安に直面する事態となった。こうした不動産不況は、日本が1990年代に経験した不動産バブル崩壊と類似した面が多々ある。 2――日本における不動産バブル「形成」とその「崩壊・後始末」 日本でバブル形成が始まったのは1987年頃だった。「プラザ合意」後の大幅利下げで「財テク」ブームが起きた日本では、不動産デベロッパーや一般企業・個人、さらには金融機関も巻き込んでバブルを謳歌することとなった。それが崩壊したのは1990年前後だった。利上げや総量
欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏域内の金融機関に対し、商業用不動産から生じるリスクへの対処が不十分な場合、より高い資本要件を課す可能性があるとほのめかしている。事情に詳しい関係者が明らかにした。 ECBは毎年見直す資本要件の設定を控えた銀行との対話で、商業用不動産のリスク管理をより重視している。非公表の情報だとして関係者が匿名を条件に語った。 個々の要件が適用されるのは恐らく来年からだが、早期の警告が同資産クラスによる損失を抑える手段になると当局者らはみている。 ECB報道官はコメントを控えた。ECBは銀行の信用リスク管理の不備に対処することを最優先課題の一つに位置づけている。 商業用不動産市場は、在宅勤務へのシフトや小売業の業態変化に昨年の金利急騰が重なり、急落している。ECBは数年にわたり銀行の融資慣行を詳細に調べ上げ、リスクの取り過ぎを繰り返し指摘してきた。昨年12月には複数の銀行が
リンク CNN.co.jp カナダ、外国人による投資目的の不動産購入禁じる新法施行 カナダで1日、外国人が投資目的で住宅用不動産を購入することを向こう2年間原則禁止とする新法が施行された。この背景として、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まって以来、カナダで住宅価格が高騰していること、そしてその責任は投資目的で住宅を買いあさっている外国人購入者にあるとカナダの一部の政治家が考えていることが挙げられる。 47 users 144 (CNN) カナダで1日、外国人が投資目的で住宅用不動産を購入することを向こう2年間原則禁止とする新法が施行された。この背景として、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まって以来、カナダで住宅価格が高騰していること、そしてその責任は投資目的で住宅を買いあさっている外国人購入者にあるとカナダの一部の政治家が考えていることが挙げられる。
中国恒大に清算命令 不動産業界に打撃―香港高裁 2024年01月29日17時52分配信 中国恒大集団の本社ビル=中国・深セン(AFP時事) 【香港時事】香港の高等法院(高裁)は29日、経営再建中の中国不動産開発大手、中国恒大集団に対し、清算命令を出した。清算を求めた債権者の訴えを認め、恒大に債務返済能力がないと判断した。販売低迷や資金繰り難に苦しむ中国不動産業界への悪影響は必至で、停滞する景気に打撃となりそうだ。 中国恒大株が取引再開 会長拘束で一時停止―香港市場 清算命令を受け、今後は裁判所が任命した管財人の下、資産売却などの手続きに入る。ただ、恒大の資産の大半は中国本土にあり、差し押さえには、恒大が本社を置く本土の裁判所の許可が必要になる。手続きが円滑に進むかは中国当局の意向次第とみられ、先行きは不透明だ。 香港証券取引所では29日、恒大のほか、傘下の電気自動車(EV)メーカー、中国恒
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く