昨今ではどのプロスポーツでも、カメラやセンサーを活用して試合のデータを取得し、放送・配信やチームの強化、マーケティングなどに活用することが当たり前になっている。 その中でも、テクノロジーの活用や、取得・処理するデータ量でおそらく断トツといえるのが、世界最高峰の自動車レースであるFormula 1(フォーミュラ・ワン、F1)だ(図1)。年間、世界各地で20回強開催されるレースごとに、500TBものデータを扱っているという。これはフルHDの動画なら約8万3000時間分、およそ約10年分に相当する容量である。 “バブル世代”の筆者は、伝説的なスーパースターである故アイルトン・セナやライバル選手たちがしのぎを削った1980年代後半から1990年代前半に、毎週末、テレビ放送にくぎ付けになっていた記憶がある。当時、日本ではにわかファンの筆者を含め、F1は絶大な人気を誇っていた。 現在は、日本では無料放