東日本大震災で発生した宮城、岩手両県の膨大ながれきの処理がはかどらない。環境省が全国の自治体に協力を求めているが、「放射性物質の拡散を招く」などの住民感情もあり、応じるところは少ない。苦しむのは現地の自治体や被災者だ。がれきの量が市町村別で突出している宮城県石巻市の実情を見て回った。 (白井康彦) JR石巻駅から南へ約二・五キロ。石巻工業港雲雀(ひばり)野埠頭(ふとう)は、市内最大の震災がれき仮置き場だ。二八・五ヘクタールの土地に持ち込まれたがれきは、約百二十三万立方メートル。縦七百メートル、横四百メートルの土地に平均四・四メートル積み上げた量にほぼ相当する。実際には高さ十メートルを超すがれきの山が並んでいる。