■宮沢章夫『東京大学「80年代地下文化論」講義』読んだ。 80年代は「スカ」だったのか。80年代を語る切り口はバブルとオタクが一般的だけど、ほかにあるんじゃないか。ということでこの本は、原宿にあったクラブ『ピテカントロプス・エレクトス(ピテカン)』をキーに80年代を語ってる。著者は劇作家でラジカル・ガジベリビンバ・システムやってた人。「地下」ってのはアングラじゃなくてピテカンが地下にあったから。 本書でピテカンが象徴するものをまとめると、批評性、ニューウェイブ、かっこよさ(美学)、不合理性(=儲からないもの=文化)、みたいなことになると思う。ピテカンはかっこよくて、ニューウェイブで、批評性があって、儲からなかったと。まとめすぎだけど、そんな感じかと。ピテカンは当時の文化人にとってすら敷居の高い、センスエリートの集まる場所だった。 「ピテカントロプス・エレクトス」という文脈がひとつ、こち