今年3月。四日市市のホテルで開かれた送別会に、大勢の警察幹部や記者が集まりました。80歳を機に引退する私たちの先輩、服部良輝記者の労をねぎらうためです。 「厳しいけど、スクープしたときには記者冥利に尽きる。やっぱり人間長生きしないとだめですね」(中京テレビ三重支局 服部良輝記者) 服部記者は半世紀に渡り、日々発生する事件や事故の現場に駆け付け、視聴者にニュースを届けてきました。大ベテランにも関わらずその謙虚な取材姿勢は、私たち若手記者の尊敬の的です。 ニュース原稿をパソコンで書くのがあたり前となった今でも、服部記者は“手書き”を貫いています。 「(絶対に3Bの鉛筆なんですか?)そうそう、これが一番書きやすい」(服部記者) 昭和の初め、服部記者は三重県津市で、7人兄弟の4男として生まれました。戦争の影響もあり家計は苦しかったといいます。 「高校受験に失敗してしまって、橋の建設作業員をしていた