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文学に関するNAMEOVERのブックマーク (2)

  • 夜の住宅街を散歩した話

    終電間際まで残業。俺は疲れた顔をして家までの道のりをとぼとぼと歩いていた。 足取りは重い。帰ったところで、頬杖をついて指でカツカツとテーブルを打ち鳴らしているか、トドのように大口を開けながらいびきをかいて眠るしかいないからだ。どちらを想像しても、気が滅入っていた。結婚したてのころは帰宅時にいつも玄関で出迎えて笑顔を見せてくれたのに。5年目となるとしょうがないのか、と諦めている気持ちもある。 しかしながらそんな家にまっすぐ帰る気にもならず、かといって居酒屋に入って一杯引っ掛けるような気力もなく。 せめてもの抵抗、と、コンビニの角を曲がり、遠回りをすることにした。 夜の住宅地は面白い。 もう3年近く住んでいる街なのに、まったくの他人のようなよそよそしさがある。 ふと油断するとすぐに迷ってしまうようなおそろしさがある。 子供のころはよく「冒険」と称して近所を歩き回っていたっけ。 歩いている間

    夜の住宅街を散歩した話
  • 「或る日のことでございます」 - 話半分で聞いてください

    2014-06-04 「或る日のことでございます」 或る日のことでございますーーこの一言でピンと来る人も多いのではなかろうか。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」、私の一番好きな児童文学の書き出しだ。 なんでまた急にというと、友人に「好きな童謡やおとぎ話は何か」と質問をされた際、特に何も考えないままこのタイトルを即答していたのだが、これをきっかけに、なぜ蜘蛛の糸に思い入れがあるのかを、ちゃんと思い返してみたためだ。 思い入れがある理由はシンプルで、私の思想をそのままに表しているからだ。たぶん、幼少期に読んだことで、大きな影響を受けたのだろう。小学5年生だったか、読書感想文コンクールにも蜘蛛の糸を題材に感想文を提出した気がするし、その過程で私の記憶と精神に深く刻まれたに違いない。 蜘蛛の糸という作品は、泥棒と殺人の罪で地獄に落とされた男・主人公のカンダタが、生前たった一匹の蜘蛛を殺さずに生かしたことから

    NAMEOVER
    NAMEOVER 2014/06/04
    後半の誰かを犠牲にすることも自分を犠牲にすることもできない、の話は正義についての議論のことを思い出すなあ。
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