正社員とホステスと風俗嬢を掛け持ちしている。 正社員の時は事務処理能力を。 ホステスの時は気分転換の場と言葉による慰撫を。 風俗嬢の時は満足できるだけの性的ファンタジーを。 自分の中ではそれぞれの職場で自分が提供するべきものがはっきりと区別されている。 本来一人の人間である私自身をパーツごとにばらばらにすることはできない。 頭ではわかっているのだけれど、実感としては根を同じくするそれぞれの「私」が微妙に重なりあいながら生活しているような感じだ。 まあそれぐらいは誰にでもあることだろうと思う。 家族に見せる顔、恋人に見せる顔、職場の同僚に見せる顔、学校の友人に見せる顔。 誰もが無意識のうちに微妙に「自分」を使い分けながら生活しているんじゃないだろうか。 ただ、はっきりと「この場で私はこれを提供する」と自分の中で決めてしまっているせいか、時々とても困ってしまう。 主にホステスとして仕事をしてい