法治の獣 (ハヤカワ文庫JA JAハ 13-1) 作者:春暮康一早川書房Amazon 去年から仲間うちで「『法治の獣』めっちゃ面白い」という話を何人もがしていて、ずっと気になっていながら読めていなかった一冊。知らない作家さんだなあと思っていたら、2019年にデビューして本書が二冊目とのことでした。ふぅんと思って読み始めたら、めちゃくちゃ面白かった。え、これが二冊目ですか? ほんとに? もう十年くらいキャリアありそうな作品じゃないですか。こんなしっかりしたハードSF作家って、最近の新人作家さんでは珍しいような気がする。 『法治の獣』は表題作を含む中短編3作品からなるのですが、いずれも同じ世界観を背景にしています。でも世紀レベルで違う時代の話で、単体でも楽しめるようになっている。どれも好きでしたがどれかひとつ選ぶとしたら「主観者」かなぁ。 「主観者」は知的生命を求めて地球の外に飛び出した時代の