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  • 異常なことばかり、集団的自衛権議論の周辺 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    安倍首相は7月1日に記者会見を行い、内閣によって「集団的自衛権の合憲化」が閣議決定されたとアナウンスしました。これと前後して、首相官邸前ではかなりの規模のデモが行われ、メディアも大きく取り上げているようです。 今回の一連の動きですが、どうにも「異常な」ことだらけだと思います。私には、集団的自衛権に関する問題に加えて、以下に掲げる問題の「異常さ加減」の方に、より深刻なものを感じました。 一つは、アメリカのオバマ政権は今回の「憲法解釈変更」をとりあえず歓迎しているわけですが、その意味合いというのは「制度としての変更」は支持するものの、「制度変更を後押しした政治的な動き」に関しては、支持ではなく警戒しているということです。 つまり、歴史認識の見直しを中心に中国との摩擦を強め、同盟国であったはずの韓国との結束も弱体化させつつある安倍政権の政治的な姿勢には賛同していない一方で、「米軍の負担軽減」とい

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    NXn52ezh8saz9Pq 2014/07/03
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  • 「橋下発言」はアメリカからどう見えるか

    所用でニュージャージー州外に行っていたのですが、その間にこの問題がどんどん拡大していたのには驚きました。現在の事態は、この欄で過去に申し上げた「管理売春は現代の基準では性奴隷」という指摘、また「国境を越えたコミュニケーションでは理念型の発信しか通用しない」というコメントが生かされなかった点、何とも残念に思います。以下は、とりあえず、現時点で気づいたことを箇条書きにしておこうと思います。 (1)アメリカなど欧米諸国はキリスト教国だから性的なタブーの強い「偽善的な国」だという主張があります。もしかしたら問題の奥の背景にはそうした宗教やカルチャーもあるのかもしれません。ですが、アメリカがいい例ですが、買春行為に対して社会が厳しい目で見ているのは宗教や文化のためではないと思います。核家族のイデオロギーが確立する中で、買春行為というのは、と子への裏切りであり、社会の最小単位である核家族を破壊し、自

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    NXn52ezh8saz9Pq 2013/05/17
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  • 憲法改正の論点をどう整理するか?

    7月の参院選では、憲法改正問題が争点として現実味を帯びて来ました。前回この欄で、憲法改正要件を規定した「96条」に絞った改正について考えてみた際にも、次の憲法の全体像、つまり憲法観なくしては議論は不可能ということを痛感させられました。そんな議論を7月までに詰めるというのは大変です。今回は、とにかく議論の全体像をまずイメージするために、急いで論点の整理をしてみました。 (1)改めて96条の改正問題ですが、まず改正要件を緩くしておいて、自分たちの思想に合った憲法を通した後に改正要件を厳しくして憲法を固定化するということは防止しなくてはなりません。これに加えて、総議員の50%+で発議し、有効投票の過半数で改正可能というのは、多くの反対者をひきずっての改正を可能にするわけです。ですから、国論分裂を常態化する危険性はないのかという議論も必要です。基的人権など国家観の大原則に関するものは改正しにくく

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    NXn52ezh8saz9Pq 2013/04/11
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  • アベノミクスの現状を考える論点

    今夜は「朝まで生テレビ」(テレビ朝日系列)がこのテーマを議論するようですし、日にとっては年度末でもあるので「アベノミクス」と言われる、安倍政権の「金融緩和、円安誘導」について、現状を考える上での注目点を整理してみたいと思います。 (1)まず、「どうしてアメリカリベラル派が支持するのか?」という問題があります。ポール・クルーグマンに始まって、最近ではジョセフ・スティグリッツも加わり、「ノーベル経済学賞受賞のリベラル派の重鎮」が揃って「アベノミクス支持」を打ち出しています。これは、アメリカの場合、「金融緩和と弱い自国通貨」というのは完全に「リベラルの政策」になるということが一番です。これに加えて、「オバマがやってきたこと」について「別の国でも成功例」を見てみたいという政治的動機もあるように思います。 (2)その一方で、12月に安倍政権が発足して以来、ヨーロッパなどからは「為替操作」という批

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    NXn52ezh8saz9Pq 2013/03/30
    "アベノミクスの現状を考える論点 | プリンストン発 新潮流アメリカ | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
  • 従軍慰安婦問題、いわゆる「河野談話」の訂正は可能か?

    安倍政権がいわゆる従軍慰安婦問題に関して、「軍の強制連行があった」とする「河野談話」を見直すかもしれないという報道に関しては、韓国だけでなくアメリカの政界やジャーナリズムによる関心も高まっています。 この問題に関する事実関係に関しては、私は池田信夫氏が様々な史料を参照しながら丹念に調査を続けて来た結論、つまり「軍による強制連行はなかった」という立場を取ります。 では、問題になっている河野談話を訂正すればいいと考えるのかというと、こちらはそうは簡単ではないと考えます。この点に関しては、日の政界や世論には根的な誤解があり、注意深い議論をしないと、日の国益を大きく損なう危険があるからです。 誤解というのは、「軍による強制連行はなかった」という訂正に成功したとしても、全く「日の名誉回復にはならない」ということです。一言で言えば「強制連行はしなかったが、管理売春目的の人身売買は行なっていた」

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    NXn52ezh8saz9Pq 2013/01/07
    "従軍慰安婦問題、いわゆる「河野談話」の訂正は可能か? [プリンストン発 新潮流アメリカ]
  • 安倍自民党の「インフレターゲット論」3つの問題点

    3%というターゲットを設定した上で、インフレが進行するように金融緩和を思い切り行う、そうしてデフレを脱却し超円高を是正して成長トレンドを回復するという政策については、ここ1年ぐらい安倍晋三氏はかなり熱心に語ってきています。ですから気といえば気なのでしょうが、総選挙を前にしてここまでハッキリと政策として掲げてくるとは思いませんでした。 結論から言えば、3つの問題点があるように思います。 まず、外部環境がこの年末から年明けにかけて変化しつつあるという点です。例えばアメリカの場合は、これまでのFRB(連邦準備制度理事会)やオバマ政権は「QE(量的緩和)1からQE3」によってジャブジャブとドルをばらまいてきたわけです。その結果としてのドル安も容認し、ドル安による多国籍企業のドルベースでの利益の極大化というメリットも享受してきました。 この問題に関しては、大統領選の争点になっていました。オバマに

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    NXn52ezh8saz9Pq 2012/11/26
    特に後半部分ありきたり/安倍自民党の「インフレターゲット論」3つの問題点 | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
  • 「外交という名の内政」とどう付き合うか?

    国連総会が開かれています。25日の火曜日には、オバマ大統領が総会での演説を行いました。演説の中で、オバマはイランやシリアに対して例年以上の強い言葉を使って非難をしています。例えばイランに対しては、核問題について当面は外交努力は続けるが「時間は無制限にあるとは思うな」であるとか、「核武装の企図は封じ込める」などと脅しをかけているのです。 その一方で「我々の努力でアルカイダは弱体化した。オサマ・ビンラディンももういない」などと自分の「テロ対策」への「功績」を述べたり、イラクからの撤兵が完了したことを誇ったりもしていました。 まるでこの演説でのオバマは、国連総会で「国際社会に向けて」話しているのではなく、アメリカ国内でアメリカの有権者向けに選挙運動をしている、つまり投票日まで約40日となった大統領選の一環として喋っているかのようでした。 その証拠に、対立候補のロムニーは「オバマの国連演説」に対抗

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    NXn52ezh8saz9Pq 2012/09/26
    "「外交という名の内政」とどう付き合うか? [プリンストン発 新潮流アメリカ]
  • 習近平=パネッタ会談の意味と尖閣問題

    アメリカでは、ここ数日間は中国での反日暴動のニュースは少しだけ報道されていました。また、中国駐在のアメリカのゲイリー・ロック大使の公用車がデモ隊に包囲されたという事件も報道されています。ですが、暴動が恐らくは政府の強い意向により沈静化の方向であることを受けて、再びアメリカでの関心は薄れているようです。 中国に関して、アメリカで関心を呼んでいるのは、「重慶事件」のその後です。習近平氏に連なる「太子党」の大物と言われた、薄熙来前重慶市共産党委書記のスキャンダルに他なりません。このスキャンダルが明るみに出たのは、王立軍という人が、米国公使館に駆け込んだのがきっかけでした。 このショッキングな行動は、薄氏のの英国人弁護士殺害問題を王氏が告発しようとして、中央政府に告発しても抹殺される危険を感じた(と思われる)ためであると、理解されています。アメリカ政府はこの王氏の身柄は中国側に渡した(他にどうし

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    NXn52ezh8saz9Pq 2012/09/22
    "習近平=パネッタ会談の意味と尖閣問題 [プリンストン発 新潮流アメリカ]
  • 中国の「反日暴動」がアメリカでほとんど報道されない理由とは?

    先週末から今週はじめにかけて、中国の各地では反日を表面的なスローガンにした一種の「反秩序暴動」がエスカレートしているわけですが、アメリカではこのニュース、驚くほど小さな扱いとなっています。例えば、暴動が格化した直後の16日の日曜日には、ニューヨークタイムス、CNNといったメディアでの扱いはほとんど「ゼロ」でした。 週明けの月曜になって、少し報道が出始めていますが、例えば中国にあるパナソニックの工場が操業停止しているなどといった「経済記事」的な扱いが主で、それに「在北京日大使館」に卵が投げつけられたなどの報道が加わっているだけです。実際に起きている、大規模な破壊行動については、一切伝えられていないと言ってもいいと思います。 私は各メディアの内情を知る立場にはないので、あくまで憶測に過ぎませんが、そこにはある種の「配慮」が感じられます。では、仮に「中国への配慮」があるとして、そこにはどんな

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    NXn52ezh8saz9Pq 2012/09/18
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  • 「和解」を困難にする「謝罪外交」は見直す時期ではないのか?

    どうして中国韓国の世論は、日に対して領土ナショナリズムによる攻勢をかけてくるのでしょうか? それは、中国側から見た日韓国から見た日というのは他の二国間関係とは異なり、第2次世界大戦の終結以降も、正常な関係が持てていないからです。 正常でないというのは、日が常に謝罪要求の対象だということです。これは、二国間関係としては異常です。では、どうして日と周辺国との間には、こうした異常な関係が続いているのでしょうか? まず、中国韓国は、日の「国体=国のかたち」が戦前戦後を通じて一貫していると考えています。戦前の国体が「護持される」ということが、戦争終結の条件として連合国に認められた以上、国体の一貫性は明白であり、したがって現在の日の国体は過去の責任を継承しており、すなわち謝罪の主体となるという考え方です。 これに対して、日の世論の半分は同調していると言っていいでしょう。「日国は

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    NXn52ezh8saz9Pq 2012/08/20
    "「和解」を困難にする「謝罪外交」は見直す時期ではないのか? | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
  • アメリカの宗教保守派と、日本の「夫婦別姓反対論」の異なる点とは?

    アメリカの宗教保守派は妊娠中絶反対に異常にこだわっているわけですが、その背後にはヨーロッパやアジアと結託して稼いでいる東北部やカリフォルニアのリベラルへの反感があるわけです。中絶問題だけでなく、例えば同性婚への反発や、進化論への反対なども同じことです。 どうして21世紀の今日に「進化論否定」なのか、どうして同性婚の合法化にあそこまで反対するのかというのは、文字通りの信念と言うよりも、それだけ宗教保守派の中には「グローバリズムから置き去りに」され「価値観として見下された」ことへの怨念が強いと理解すべきでしょう。 では、こうしたアメリカの保守派が持っている社会価値観の背景にある心情は、日の同種の主張を理解する上で手助けになるのでしょうか? 例えば、日の場合ですと「夫婦別姓論」への反対論というのがあるわけですが、別姓にするかどうかは、その夫婦当人二人の勝手であるわけです。にも関わらず「絶対反

  • 選挙モードに突入したオバマ、タカ派演説の真意は?

    1月に入ってのアメリカの政局報道は、共和党が中心でした。アイオワ、ニューハンプシャー、サウスカロライナと、各候補がジェットコースターのような浮沈を繰り返す様子が、TV各局や新聞の紙面を相当の割合で占めていたのです。今回の予備選は、相互の中傷合戦がヒドいのですが、それでも話題性はあり、従ってメディアは取り上げるという中で民主党の現職であるオバマ大統領の存在感はやや薄れていました。 これに対して、オバマの方も実質的に「大統領選挙モード」に突入しています。1期目の現職として、2期目を目指す大統領に取っての選挙戦というのは、選挙の年の初頭に行われる「年頭一般教書演説」が事実上のスタートになると言われています。今回の、その「一般教書」は24日の火曜日にありました。 世間的には「雄弁な演説」という評価もあるようですが、私には一種異様な感じがしました。というのは非常に「ホーキッシュ(タカ派的)」なレトリ

  • 「異端児ロン・ポール」の専売ではない在日米軍廃止論、日本はどう対処すべきか?

    2012年の早々1月5日に、オバマ大統領は「新国防戦略」として中長期的な軍縮方針を示しています。二正面作戦は前提としない、軍事的な重点地域を中東からアジアにシフトするという基方針は、とにかく財政健全化の一貫として「軍事費も聖域化せず」という現在のアメリカの与野党合意を踏まえたものと言えます。 現在のところ先週のアイオワ党員集会で格的な「大統領候補レース」に入った共和党は、例えば論戦の中では「イランに対して弱腰なオバマは危険」であるというように、依然として軍事タカ派的なカルチャーを引きずってはいます。ですが、先ほど「与野党合意」と申し上げたように、軍縮という大方針は共和党も理解していると考えるべきです。 例えば、共和党の大統領候補の多くはイランを敵視したり、イスラエルの防衛を強く主張しています。言葉の表面だけを見ていると、まるでブッシュの8年間のようにザブザブ軍事費を使いそうな勢いに見え

  • 政治という「現実」に組み込まれた「ウォール街デモ」

    ニューヨークのウォール街を中心に、全米に広がっているデモですが、ここへ来てアメリカ政治という「現実」とのリンクが明確になってきているようです。 まず、今週のデモ隊は、マンハッタン島内の「億万長者のコンドミニアム」に押しかけて抗議行動をしています。その光景は、何とも「子供っぽい」ものでした。バスを仕立てて、デモ隊の集結地であるダウンタウンから、富裕層の住むアッパー・イーストなどへ押しかけたというのもマンガ的ですし、ニューズ・コーポレーションのマードック会長邸の外で「税金を払え」というコールをするというのは、同氏の支配する米国の「FOXニュース」などのTVメディアが「保守的」ということへの反発が重なって見え、メッセージがぼやけた印象です。 この欄でも取り上げた「サブプライムの問題を予見した天才」ジョン・ポールソン氏の邸宅もデモ隊に囲まれましたが、不動産バブルの破綻をリスクを取りながら予見した

  • WBC第三回大会に漂う暗雲、事態は相当に深刻なのではないか?

    創設以来2回の大会を日が連覇したWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)と言えば、2年後の2013年に第三回が開催されることが決まっています。ですが、この大会、現時点では開催が危ぶまれているのです。 日での報道によれば、日側、特に日のプロ野球選手会が金銭的な条件で難色を示しているとか、読売の渡辺会長が「アメリカの帝国主義に屈するな」というセリフで、日側の強気な交渉姿勢を応援しているなど、そもそも不公平な条件設定になっているのが問題という印象を受けます。 この主張ですが、具体的にはWBCの大会を後援する日のスポンサーからの収入が、一旦アメリカ側の母体(メジャーリーグ連盟と選手会の出資した会社という形態)に入り、収益が出た場合には改めて分配される点が問題視されています。 例えば、サッカー日本代表などの場合は、日のスポンサーからの収入は日サッカー連盟に入るわけですが、それ

  • 「ウォール街占拠デモ」はどこまで本気なのか?

    ここ数週間、ニューヨークのダウンタウンで続いている「Occupy Wall Street(ウォール街占拠デモ)」は、先週末にはブルックリン・ブリッジでの無許可行進をめぐって大量の逮捕者を出すと共に、ニュース・メディアに話題を提供した形になっています。一部の芸能人や、経済界でも例えばジョージ・ソロスなどはある種の理解をしているようですが、ウォール街の関係者とも言うべき多くの経済評論家は、デモに対して非常に冷淡です。 いつもはアナーキーな「アブないオジサンのキャラ」で登場するジム・クレマー(CNBC)などは、今回のデモに関してはジョークを飛ばすどころか、3日の月曜には「奴らには何の主張もないんですよ。バカバカしいだけです。それにTVで取り上げると警察が悪玉で、逮捕された連中が善玉になっちゃうでしょ。報道で取り上げるのも問題ですよね」あるいは「強いて言えば、カイロの切羽詰まったデモというより、ア

  • 「保守の風」はオバマを吹き飛ばすのか?

    9月21日(水)の晩に行われたジョージア州での死刑執行は、騒然とした中で行われました。執行されたのは逮捕以来冤罪だと訴えていたトロイ・デイビスという黒人の死刑囚で、死刑制度反対派がデモを行う中での処刑となりました。このデイビスという死刑囚は、1989年の警官射殺事件への容疑で死刑となっていたのですが、物証に欠ける中、目撃者の多くが証言を取り下げたり限りなく灰色の事件だったのです。 まず人のデイビスは逮捕以来容疑を否認しており、地裁の有罪判決以降、2審、3審まで一貫して否認を貫いています。また1審の際には、ジョージア州の州法が未整備であったことから、公選弁護人の選定が受けられず、自己弁護、つまり弁護士なしの法廷で無罪を主張するということになっているのです。つまり、まともな憲法のある国であれば違憲状態での判決ということが言えるわけです。 更に、有力な物証が乏しい中で9名の目撃証言が決め手にな

  • JR北海道、積み重なった悲劇に打開策はあるのか?

    私の住んでいるアメリカ東部のニュージャージーは、アメリカの中では特に鉄道との縁が深い地域です。私の町の最寄り駅には、アムトラックの特急が一部停車しますし、ニューヨークとの間には第三セクターの通勤電車がアメリカでは珍しい通勤の足として確立しています。それだけではありません。このアメリカ東北部のニュージャージーからペンシルベニアという地域は、19世紀から20世紀にかけて、世界で最も先進的な鉄道システムが栄華を極めた場所だからです。 その栄華を極めた会社は、ペンシルベニア鉄道(PRR)といって最盛期には総延長1万6000キロ、従業員25万人を擁しただけでなく、米国の経済史に燦然と輝く100年連続配当継続という記録を達成した超優良企業でもありました。ですが、そのPRRという会社は今は影も形もありません。全国を結んだ高速道路網と航空航路に押され1968年という時期に時代の彼方に消えていったのです。

  • 文化庁の「正しい日本語原理主義」が「姑息」である理由

    どうして税金を使ってそんなことをする必要があるのか、サッパリ分からないのですが、文化庁というお役所は定期的に「国語に関する世論調査」を実施しているようです。例えば、今年の発表内容に関しては、主として3つの点が報道されています。 1つは、「冷たい外気に接した際の感覚」を表現する言葉「寒っ」について「8割以上の人が気にならない」と考えていること、もう1つは慣用句の用法の話で例えば「一時しのぎ」という意味である「姑息(こそく)」を来と違う「卑怯な」という意味にとらえる人が多数派を占めているという話。あとは恒例となった「ら抜き言葉」の流行への批判です。 そもそも世論の声を聞いておきながら、発表するときには一々「誤った日語が使われている」という偉そうな言い方をするという、何ともお役所的な姿勢がまず鼻につきます。中でも気になるのは、結果的に「日語の変化」についての報道が漠然と「乱れている」とか「

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    NXn52ezh8saz9Pq 2011/09/18
    文頭に「なので」を使ったり、「気持的に」など名刺+的を濫発する人に萎える
  • スティーブ・ジョブズの軌跡とは何だったのか?

    スティーブ・ジョブズがアップルのCEOを辞任したニュースは、世界的に多くの反響を呼びました。闘病が発表されてから7年、いつか「この日」が来ることを多くのアップルのユーザーは恐れてきました。ですが、当初多くの人が考えたよりもずっと穏やかな形で、従って、ジョブズの軌跡はしっかりと最後に輝く形で「この日」を迎えることができたように思います。 ジョブズの軌跡とは何だったのでしょうか? 眩しいほどの光を放ちながら、それを立体的に彩る陰翳と流れの中に明らかに刻まれた濃淡を思えば、それだけで同時代を駆け抜けた人間の中で、突出した存在でした。では、具体的には何だったのでしょうか? 有名な2005年のスタンフォード大学でのスピーチや、毎回の新製品発表のプレゼンなどのコミュニケーションの素晴らしさを挙げる人も多いでしょう。何よりも、創業者の一人であるにも関わらず、一度はアップル社から追放されながらも、ユニック