地球近傍小惑星エロスの探査は、「より速く、より良く、より安く」のモットーのもとに始められたNASAによるディスカバリー計画の第一弾である。第二弾は、あの大成功を収めたマーズ・パスファインダー・ミッションである。 NEAR(Near Earth Asteroid Rendezvous)ミッションの目的は、小惑星エロスの大きさ、形状、質量、密度、組成、地表と内部の構造及び磁場を詳細に探査することである。探査機には、マルチスペクトル撮像カメラ、近赤外線分光計、X線・ガンマ線分光計、磁力計、レーザー距離測定器、電波科学機器及び重力計が搭載されている。 探査機NEARは、1999年1月に小惑星433エロスに遭遇し、軌道を周回しながら約1年間エロスを詳細に探査する予定であった。しかし、軌道修正に誤差動が生じたため、1998年12月、計画はフライバイに変更された。この結果、エロスとの遭遇は予定より1年余